

【第13回】「障害の社会モデル」の話〜発達障害の"障害物”は、あなただけの問題ではありません
■ 発達障害のある人が 「うまくいかない」と感じた時に、知って欲しい言葉 「10代のための凸凹学」連載13回目の今回は…… 「どうして自分はうまくいかないんだろう」 「なんで自分は発達障害なんかなの……」 「人類やるのが根本的に向いてない!」 イラスト生成:ChatGPT ……なんて、生きづらさを感じて悩んでいる人に、ぜひ、知っておいて欲しい言葉があります。 (※ちなみに、「人類向いてない」は、うちの長男の口癖です😅) それが、 「障害の社会モデル」 です。 🤔「障害の社会モデル」って、どういうこと? これまでの記事でも繰り返し「 壁(=障害)はその人と環境との「間」にあるのであって、その人の中にだけ存在するのではない」 とお伝えしてきました。 これが、「障害の社会モデル」の考え方です。近年では、専門のお医者さんの発達障害の診断基準にも、この考え方が反映されているんですよ。 この「障害の社会モデル」と対になる言葉が 「障害の医学モデル」 または 「障害の個人モデル」 です。 👉「医学モデル(個人モデル)」での、障害はどこにあった?...
5 日前読了時間: 6分


【考察】「鬼滅の刃」炭治郎と冨岡義勇さんに学ぶ、役割期待と“自分らしさ”の引き受け方
劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章、私も子どもと公開初週に観ましたよ、iMAXシアターで! 感覚過敏のある子と一緒に行ったので、奮発してプレミアムシート予約したら、超混雑の劇場でもストレスゼロで、全てが最高でした(ドリンクとポップコーンは蜿蜿長蛇の列で買えませんでしたが💦...
9月1日読了時間: 11分


【第12回】発達障害チェックリストに自分や他人が当てはまる…と思ったときに意識したい3つのこと
■ 「発達障害チェックリスト」、ネットでよく目に入るけど…… 「 10代のための凸凹学 」連載12回目は、発達障害チェックリストに自分や他人が当てはまる…と思ったときに意識したい3つのことを、お伝えしたいと思います。 近年、 「自分は/あの人は、もしかして発達障害かも?」 と気になった人が検索すると、 「発達障害チェックリスト」 や 「発達障害のある人の特徴」 などが、ネット上の多数のサイトで、すぐに目に入るようになりました。 その中には、信頼性の高そうなものもあれば、かなりいい加減な印象がするものまで乱立してるように思います(ちなみに、うちの長男は「おれ、こういうの、ことごとく全部当てはまるんだけど」と言ってます😅) もちろん、ネットで気軽にできるチェックリストを入り口に、 必要な人が医療機関の受診や各種サポート等につながったり、障害受容や自己理解に役立ったり する面もあると思いますが……。 その一方で、「いくつか当てはまるから、やっぱり自分も……」と必要以上に不安に思う人を増やしたり、「あの人、やっぱり……」と他人を安易に決めつけたり、「こ
5月4日読了時間: 11分


【第11回】「発達障害」って結局どういうこと…?
■じゃあ、「発達障害」って結局どういうこと…?
発達障害(神経発達症)を、ズバリ一言で言うなら「個性と環境の間に"努力では乗り越えられない壁"がある子 」…だと、私は理解しています。
様々なサイトで「発達障害のある人の特徴」などのチェックリスト等が掲載されていますが、私は個別
2024年8月1日読了時間: 10分


【第10回】期待される役割(役割期待)
画像生成アプリ:AIイラスト ■ 「空気」には何が含まれるか? 【第9回】 では、その空間独自の性質である「空気」についてお話しましたが、では、その「空気」は一体何からできているのでしょう? 「そんなの、酸素とCO2と…」なんて理系さんは思うかもしれませんが(ちなみに、空気の8割は窒素だとか)、ここでは、私自身の経験と体感から成分分析すると…… 空気の主成分は気体……いえ、「期待」です。 うまいこと言った! 例えば、クラスで文化祭の出し物を決める際、誰からも意見が出ずに重苦しい空気が続いて、もう帰りたい……なんて時に「そろそろ〇〇さんが手を挙げて、なんか言ってくれるハズ」なんて内心誰かに期待したり、逆に、そういう行動を自分が期待されている空気を感じた経験はありませんか? うちの長男は、こういう役目が回ってくることが多いようですが、この場合、彼は「アイデアマン」または「空気を壊す人」の役割を期待されているのでしょう。 そして、彼がいいアイデアを出して採用されれば、達成感を感じたりほっとしたりするけれど、アイデアが思いつかなかったり却下されたりする
2023年5月22日読了時間: 8分


【第9回】個性と環境3〜空気と器のキャパシティ
【第7回】 ではタテ軸である時代、 【第8回】 ではヨコ軸である場所と、個性との関係性について考察してきました。タテ、ヨコと来たら、今回は奥行き……つまり、空間の話です。 自分が今現在いる環境の 「空気と器のキャパシティ」 について、少し客観的に見てみましょう。 画像生成アプリ:AIイラスト ■ 「空気」って、そもそもなんだろう? みなさんは、今年のクラス、どうですか? 4月の新学年でクラス替えがあって、GWが終わる頃にはそのクラスの雰囲気が出来つつあるのではないでしょうか。おとなしい子が多めの落ち着いたクラスや、パリピ中心でノリが良いクラスもあれば、中にはバトルロワイヤル風の殺伐としたクラス……なんて場合もあるかもしれませんね😅 🤔クラス替えで居心地が良くなったり、悪くなったり クラスの雰囲気と自分の個性との相性によって、居心地が良かったり、悪かったりするのではないでしょうか。 例えば、うちの次男・〇次郎は聴覚が敏感なので、にぎやかなクラスに当たると負担が大きくて、体調を崩しやすく欠席が増えてしまう傾向があるのです。 でも、逆にみんなでワイ
2023年5月14日読了時間: 7分


【第8回】個性と環境2〜「世界に一つだけの花」はどこに咲くのか
【第7回】 では、 個性と環境の関係性は、時代と共に変化していく ということをお伝えしましたね。これは、個人と環境の、いわば「タテ軸」の関係性です。 今回は、今、現在進行形で私達の身に起こっている、環境との「ヨコ軸」の関係性について、考えてみましょう。 つまり、 今、その人がどんな環境で生きている or 生きていくのか 、という 「場所」について です。 ■ 「世界に一つだけの花」はどこに咲くのか 画像生成アプリ:AIイラスト SMAPの名曲「世界に一つだけの花」 『世界に一つだけの花』というSMAPの名曲があります。 "No.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one" というフレーズが印象的な、言わずと知れた20年以上前の大ヒット曲ですね。 私のような親世代には懐かしい歌ですが、皆さんにも合唱コンクールや応援歌、運動会の入退場曲やイベントのテーマソングなど、なにかと馴染み深いのではないでしょうか。( ※1 ) その歌詞では、1人ひとりの個性を”世界に一つだけの花”にたとえ、「誰もが特別な存在なのだから、自分の個性を大切に生きてほしい
2023年4月25日読了時間: 7分


【第7回】個性と環境1〜変化する時代
【第6回】では、環境と適応について お伝えし、また、このブログでは、 個性 =生まれながらの凸凹や、環境の影響などを合わせて形作られていく、その人らしさ 環境 =その人が今生きている場所(家、学校、地域、部活や塾、ネットなど) 障害 =人と環境との間にある、努力では乗り越えられない壁 適応 =環境に合わせて生きていくこと …といった意味で、これらの言葉を使ってきました。 ■ 個性と環境の関係性について 今回からしばらく、その人を取り巻く 環境 と、それぞれに 個性 のある1人の個人との 関係性 について、じっくり考察していきましょう。 画像生成アプリ:AIイラスト 【第5回】 で、私は近視なので、メガネがなければ障害がある状態となり、メガネがあれば障害がない状態となる…といったお話をしました。 では、私が仮に、メガネが発明される13世紀以前の時代に生まれていたらどうでしょうか。 👉考察:マンガ「Dr.STONE」の眼鏡の発明と障害考 例えば、人類が石化して文明がリセットされた、 マンガ「Dr.STONE」 の原始文明の時代だと、視力が弱いと自分
2023年4月17日読了時間: 6分


【第6回】環境と適応・不適応・過剰適応
【第5回】では「障害」という言葉について 少し考えてみましたが、もうひとつ、10代の自分の個性について知りたい凸凹さんに覚えておいてほしいキーワードがあります。 それは 「適応」 という言葉です。 ■ 「適応」とは…… 「適応」とは、生き物が環境に合わせて生きていくこと です。生き物は自分が生きやすい環境を求め、また、長い間にその環境に合わせて性質や習性などが変化・進化していくわけです。 画像生成アプリ:AIイラスト 適応の例:海水魚と淡水魚 例えば、魚には、海で生きる海水魚と、川や湖などで生きる淡水魚がいますね(海水でも淡水でも生きられる汽水魚もいますが…)。 体の仕組み自体が違うので、自分に合った塩分濃度の水の環境でないと、うまく生きることができません。 また、同じ淡水魚でも、キレイな清流の川にしか住めない魚もいれば、少し汚れている淀んだ沼のような場所のほうが居心地がいい魚もいます。 自分の性質に合った水の環境にいれば、まさに「水を得た魚」の如く、のびのびと過ごせて繁殖もしやすくなりますが、合わない環境であれば負担がかかって、子孫を残せないこ
2023年4月10日読了時間: 6分


【第5回】「障害」という言葉について
お元気でしたか? まず最初に、この「10代のための凸凹学」Blogが久しぶりなので、【第4回】までの要点をまとめます。 個性とは自分らしさ であり、自分らしさとは自分の中のいろんなキャラ(パーソナリティ)が天下統一して出来上がっていくもの。10代の個性は現在進行形で作られている真っ最中。 成長の階段のカタチ(発達のしかた)には個人差があり 、その登り方もスピードも違う。だが、社会のほうは「標準型」を基準にデザインされていることが多い。 同じ1人の人の中にも 「発達の凸凹差」 があり、 誰にでも得意なことと苦手なことがある。「できる自分」と「できない自分」のギャップが大きいほど、うまく行かない感じになる。 自己理解を深めると、自分の凸凹と上手に付き合える ようになる …といったお話をしてきました。 ■ 「障害」という言葉について では、今回は「凸凹さん」が自分の個性と環境(社会)との関係性を考えていく上で、理解を深めておいてソンはない、 「障害」という言葉 について、一緒に考えてみましょうか。 「障害」という言葉は、人によってはすごく重たく感じたり
2023年4月2日読了時間: 6分












