• 楽々かあさん(大場美鈴)

自分の中の凸凹差【第4回】

最終更新: 2020年12月30日

ブログ【第3回】で「『成長の階段』の形も、その登り方やスピードにも、個人差がある」というお話をしましたが、これは、「標準型」や「周りの同じ年頃の子達」と比べたときに、その人の個性の育ち方や特徴に、それぞれの違いが見えてくるからなんですね。


でも今回は、他人がどうであれ、「なんだかうまくいかない」感じにつながってしまう、同じ1人の人の中での「発達の凸凹差」について、です。


誰にでも、得意なことと、苦手なことがあります。


「ドラえもん」の出木杉君みたいな、一見完璧そうに見える人でも、苦手なことや、短所や欠点はあるでしょう(ちなみに、うちの次男によれば、出木杉君はうるさいのがすごーく苦手で、集中できなくなってしまうんだとか…)。


だから、私にも、あなたにも、苦手なことや短所・欠点があるのは、ごく自然で当たり前なことなので、このこと自体は「人間だから、まあ、しょーがない」のではないでしょうか。


それよりも、本人に大きな負担がかかるのは、短所や欠点があること自体ではなく、その人の中で、得意なこと(=凸)と、苦手なこと(=凹)の差が大きく開いてしまうことかと思います。


これは、本人にしたら、結構しんどいことでしょう。だって、自分が思ったように動かないし、周りにも分かってもらえない経験が増えがちなんですから。


例えば、数学的なセンスがある人でも、注意力がなくて計算ミスばかりだと、学校のテストではいい点取れませんから、成績では評価されないでしょう。


逆に、成績は全体的にいいのに、特定の科目だけがどうしても苦手な人は、「頑張ればできるハズなのに、できないのは努力が足りないから」なんて、親や先生に思われてしまったり。


それから、ホントはめっちゃ優しい人なんだけど、人と話すのが苦手で周りに誤解されがち、だとか。


…こんな人は、要するに、短所が長所の足を引っ張っているような感じですから、せっかく素晴らしいいいところや長所があっても、それを活かしきれずに、なんだかソンしちゃってる気がしますね。


そして、「できる自分」と「できない自分」のギャップが大きくなるほど、「自分のことを分かってもらえない」「こんなハズじゃないのに」…という気持ちが強くなったり、「なんでこんな簡単なことができないんだろう」と自分自身にイラ立ったりすることもあるでしょう。


凸と凹の差が開けば開くほど、自分の思い通りにならないことや、うまくいかないことが増えてしまうので、自分に自信を失くす人がいても、無理もないことだと思います。


特に「なんでも、まんべんなく」できることが求められる環境だと、「できないこと」のほうばかりが、どうしても注目されがちですから…。


更に、自分自身でも「できない自分」のほうを認めたくないことだって、あるでしょう。


うちの長男も凸と凹の差が大きく、小4の時に「頭の中で、のび太君と出木杉君が同居しているようなもの」って説明した時は、「できない自分」を受け入れるのがかなり苦しかったようです(※1)。


でも、「できない自分」のほうを、なかなか認められないと、【第2回】でお話した、思春期のひとまずのゴールともいえる、「自分の中のいろんなキャラが、だんだんと「〇〇さん」という1人の人に天下統一される」ことへのハードルが、ちょっと上がってしまうかもしれません。


(「ドラゴンボール」で言うと、タイプの近い人物同士ならフュージョンしやすいけど、両者がかけ離れるほど、合体するのが難しくなるようなものです。)


じゃあ、自分の中の凸凹差の大きい人が自信を失わないためには、一体どうしたらいいのでしょうか。


最終的には、「できる自分」も「できない自分」も、「それが自分」と受け容れられることが理想だと思いますが、そう思えるまでに、いくつかステップを踏む必要があるかもしれませんね。


手っ取り早いのは、道具などの「工夫」によって、苦手さをカバーすることです。


例えば、「数学的なセンスがあるのに、正確な計算が苦手な子」は、電卓やパソコンを使えば、即・問題解決!です(※2)


それから、「発想の転換」をして、「空気が読めない→自己主張できる」というように、長所と短所を裏返してみると気がラクになることもあります。


あるいは、なんでも一人で頑張らずに、「適材適所」「ギブ・アンド・テイク」「役割分担」などで、周りの人とお互いに凸凹を補い合って、できることも沢山あります。


また、少し時間はかかりますが、凸と凹の差を和らげるトレーニング的なこと(※3)を気長に続けると、苦手なことへの負担感が和らぐこともあります。


更に、進学先や就職先に「自分に合った環境を選ぶ」ことでも、凹の苦手さや、短所や欠点がさほど気にならなくなったり、環境によっては「長所」として活かせることもあります。 (これらの方法については、ひとつひとつ、このブログでじっくりお伝えしたいと思っています。)


いずれにせよ、できることはいろいろとあるので、まずは、自分の長所と短所の両方を、よく知っておくことです(そのためには、ちょっと苦しいかもしれないけど、「できない自分」も冷静に観察し、自己分析することが近道なんですよ)。


そうして「自己理解」を深めていくと、だんだん、自分の凸凹と、上手につき合えるようになってきますからね。


(※1)参考:楽々かあさんメルマガNo.035「自分とのつき合い方・・・の教え方」(2016.1.22.発行) (※2)その学校で電卓の使用が認められるかは、また別の話ですが、少なくとも、大人が仕事をする上では全く問題ありません。建築や物理分野などの高度な計算なら、なおさらパソコン必須です。「数学的なセンスがあるのに、正確な計算が苦手な人」は、テストの点や成績表をガン無視してでも、折角の凸を大事にしてほしいな、と、私は願っています。 参考書籍:算数の天才なのに計算ができない男の子のはなし 算数障害を知ってますか?」(バーバラ・エシャム著、岩崎書店) LD傾向のある、うちの長男・長女がくり返し読んだ、お気に入りの絵本。巻末の大人向けの解説も、とても参考になりましたよ。


(※3)この"トレーニング的なこと"は、ザックリ「療育」と呼ばれたりもしますが、自宅で自分で手軽にできる方法だって、いろいろあります。また、公立の小中学校の「通級指導教室」などでも、コミュニケーション力を育てる「SST(ソーシャルスキルトレーニング)」などを行ったり、成人後でも療育的なプログラムを受けられる場所も近年増えてきています。



※このサイトは「楽々かあさん公式HP| Idea&tools for ASD LD ADHD kids」です。

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