【支援ツール】困っていること分別相談シート-無料ダウンロード:発達障害のある子のセルフアドボカシー入門
- 楽々かあさん(大場美鈴)🇯🇵

- 2016年7月1日
- 読了時間: 5分
更新日:11月12日

■発達障害のある子が、自分のことを自分の言葉で説明できるように
「困っていること分別相談シート」は、発達障害・グレーゾーンの子を始め、診断の有無に関わらず、どんな子も、自分の困っていることを整理し、親や先生などにそれを伝えて相談しながら、自分の言葉で説明して、合理的配慮などをお願いするときの助けになるように作りました。
😖うちの実例:野外活動の宿泊体験が不安
実は、うちの五年生の長男は、一年以上前から、この夏にある学校の野外活動(林間学校、サマーキャンプ)の宿泊体験を、ずっとイヤだイヤだと言い続けていました。 私も、そこまで言うなら無理に参加せずとも、、、と思っていたのですが、長男の話をよく聴いてみると、元々家でキャンプによく行くので、『全て』が『絶対イヤ!』という訳ではなく、多少は興味もあるようなのです。 そして、支援級の先生の熱心な働きかけもあり、ほんの少しだけ、参加の可能性も出て来たので、無理と決めつけずに、できることはやってみようと思い直しました。
■「セルフアドボカシー」という考え方
セルフアボカド・・・ いえ、「セルフアドボカシー」という言葉があります。 障害のある子・方が、自分のことを理解した上で、自分で説明し、周囲にサポートや理解、合理的配慮をお願いしていくことです。 私も、これから思春期に向かう長男に、自分で自分のことを説明し、周囲に理解をお願いできるコミュニケーション力をつけていきたいと考えています。 ところが、発達の凸凹のある長男の場合、 ・考えがまとまらない ・優先順位をつけるのが苦手 ・言葉で、筋道を立てて分かりやすく説明できない ・妥協や臨機応変が苦手 ・・・といったことから、「セルフアドボカシー」は、なかなかハードルの高い課題でもあるように思います。
☝️最初は、親子で一緒に取り組めばOK!
そこで、他のことと同じように、スモールステップで、最初は親が一緒に手伝いながら、徐々に自分でできるように導いて、だんだんと手を離してゆきます。
その一助となるよう、今回の相談シートを作りました。
■困っていること分別相談シートの使い方
手順(うちの例):
まず、私が学校から頂いた野外活動の資料を元に、ふせんに全てのスケジュールを書き出し(行き帰りのバス、登下校なども含む)、下敷きなどに並べる
それを見渡し、長男が自分で「できること」と「心配なこと」と「ムリなこと」に仕分ける
「心配なこと」と「ムリなこと」について、まずは家でよく本人の話を聴き、「どうして心配なのか」等、理由を把握し、ふせんに簡潔に書いて重ねばり(例:「朝食」→「内容が分からない」など)
家で解決出来そうなことは提案してみる(一緒に宿泊施設のHPを見て、写真等をプリントしたり、分かる範囲で説明する。送り迎えやごほうび設定などで頑張れそうか聞く、等)
家で解決できなかったことは、本人が学校にシートを持って行って、先生に見せながら相談する。(連絡帳でも「シートの心配なこととムリなことについて、お時間ある時に、本人の相談に乗って頂けると助かります」とお願い)
詳しい説明で納得できたり、配慮をして頂くことで、「できそうな気がする」と思えたふせんは「できること」に移動
こんな風に、ひとつひとつ本人の心配ごとをクリアして行きました。
😀配慮事例:宿泊体験での部屋割り
特に、長男が「これだけは絶対ムリ!」と不安に思っていたのは、他のお子さん達と一緒の部屋だと、枕投げなどで「いつもと同じ時間に寝れない」ことでした。 これは相談の結果、「無理そうなら、先生と同じ部屋に行っていい」という配慮を頂けたので、安心することができました。 詳しい説明や配慮で、長男は……「行けそうな気がする。ちょっと楽しみになってきた」 ・・・と、少しだけ前向きな気持ちになれたようです。
(後日談:無事参加できました。おとなしい子が多い班にして頂けたので、先生の部屋にお世話にならずに済んだようです)
■自分の困りごとを伝える力を、少しずつ育てていく
なにかやってみたいことがあっても、不安や怖れのほうが強くてできない、「努力では乗り越えられない壁」があって、最初から諦めてしまう……ということは、どんな子・人にもあります。
そんな時に、自分が何に困っていて、できることは何か、誰にどう相談し、どうやって人の力を借りていくのか・・・小さなことからでも、自分で考えて、自分の言葉でそれを伝え、自分の人生を自分で切り拓いていけるよう、応援しています☺️
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<関連リンク>
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「声かけ変換」関連記事:子どものコミュニケーション力を育てる声かけなどに関するブログ記事 →<声かけ変換表>カテゴリーの記事一覧を見る
支援ツールの無料ダウンロード:
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facebook 楽々かあさんのアイデア支援ツールと楽々工夫note(2016年7月1日 投稿)
■この記事を書いた人の著書
「発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換」
大場美鈴・著(2020.6 あさ出版)p.274- →Amazonで見る
















