【支援ツールのシェア】「困っていること分別相談シート」合理的配慮 無料ダウンロード
■セルフアドボカシーへのファースト・ステップ
障害のある・なしに関わらず、どんなお子さんでも、自分の困っていることを整理し、親や先生などにそれを伝え、相談しながら、説明や配慮をお願いするときの助けになるように作ったシートです。 実は、うちの五年生の長男は、一年以上前から、この夏にある学校の野外活動(林間学校、サマーキャンプ)の宿泊体験を、ずっとイヤだイヤだと言い続けていました。 私も、そこまで言うなら無理に参加せずとも、、、と思っていたのですが、長男の話をよく聴いてみると、元々家でキャンプによく行くので、『全て』が『絶対イヤ!』という訳ではなく、多少は興味もあるようなのです。 そして、支援級の先生の熱心な働きかけもあり、ほんの少しだけ、参加の可能性も出て来たので、無理と決めつけずに、できることはやってみようと思い直しました。 セルフアボカド・・・ いえ、「セルフアドボカシー」という言葉があります。 障害のある子・方が、自分のことを理解した上で、自分で説明し、周囲にサポートや理解、合理的配慮をお願いしていくことです。 私も、これから思春期に向かう長男に、自分で自分のことを説明し、周囲に理解をお願いできるコミュニケーション力をつけていきたいと考えています。 ところが、発達の凸凹のある長男の場合、 ・考えがまとまらない ・優先順位をつけるのが苦手 ・言葉で、筋道を立てて分かりやすく説明できない ・妥協や臨機応変が苦手 ・・・といったことから、「セルフアドボカシー」は、なかなかハードルの高い課題でもあるように思います。 そこで、他のことと同じように、スモールステップで、最初は親が一緒に手伝いながら、徐々に自分でできるように導いて、だんだんと手を離してゆきます。 その一助となるよう、今回の相談シートを作りました。
「困っていること分別相談シート」の使い方手順(うちの例)
まず、私が学校から頂いた野外活動の資料を元に、ふせんに全てのスケジュールを書き出し(行き帰りのバス、登下校なども含む)、下敷きなどに並べる
それを見渡し、長男が自分で「できること」と「心配なこと」と「ムリなこと」に仕分ける
「心配なこと」と「ムリなこと」について、まずは家でよく本人の話を聴き、「どうして心配なのか」等、理由を把握し、ふせんに簡潔に書いて重ねばり(例:「朝食」→「内容が分からない」など)
家で解決出来そうなことは提案してみる(一緒に宿泊施設のHPを見て、写真等をプリントしたり、分かる範囲で説明する。送り迎えやごほうび設定などで頑張れそうか聞く、等)
家で解決できなかったことは、本人が学校にシートを持って行って、先生に見せながら相談する。(連絡帳でも「シートの心配なこととムリなことについて、お時間ある時に、本人の相談に乗って頂けると助かります」とお願い)
詳しい説明で納得できたり、配慮をして頂くことで、「できそうな気がする」と思えたふせんは「できること」に移動
こんな風に、ひとつひとつ本人の心配ごとをクリアして行きました。 特に、長男が「これだけは絶対ムリ!」と不安に思っていたのは、他のお子さん達と一緒の部屋だと、枕投げなどで「いつもと同じ時間に寝れない」ことでした。 これは相談の結果、「無理そうなら、先生と同じ部屋に行っていい」という配慮を頂けたので、安心することができました。 詳しい説明や配慮で、長男は……「行けそうな気がする。ちょっと楽しみになってきた」 ・・・と、少しだけ前向きな気持ちになれたようです。
(後日談:無事参加できました。おとなしい子が多い班にして頂けたので、先生の部屋にお世話にならずに済んだようです) なにかやってみたいことがあっても、不安や怖れのほうが強くてできない、「努力では乗り越えられない壁」があって、最初から諦めてしまう……ということは、どんな子・人にもあります。 そんな時に、自分が何に困っていて、できることは何か、誰にどう相談し、どうやって人の力を借りていくのか・・・小さなことからでも、自分で考えて、自分の言葉でそれを伝え、自分の人生を自分で切り拓いていけるよう、応援しています ***********
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facebook 楽々かあさんのアイデア支援ツールと楽々工夫note(2016年7月1日 投稿)
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