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サポートブックの書き方:発達障害・グレーゾーンの子の「合理的配慮」を伝えるコツ

  • 執筆者の写真: 楽々かあさん(大場美鈴)🇯🇵
    楽々かあさん(大場美鈴)🇯🇵
  • 2015年1月16日
  • 読了時間: 6分

更新日:10月15日


サポートブックは、発達障害やグレーゾーンの子どもが安心して学校生活を送るために、家庭と学校との架け橋となる大切なツールです。

ここでは、2015年に考案した「楽々式サポートブック」をもとに、学校への伝え方と書き方のコツをまとめます。 →「渡し方」記事はこちら


楽々式サポートブック 書き方の心得

サポートブックは「先生もサポートする」視点を……


「楽々式サポートブック」を渡す目的は我が子をサポートして貰うことですが、同時に、支援者である先生もサポートしていくもの…という視点を意識して作って頂くと、学校と家庭がお互いにサポートし合う、良好な連携関係につながっていくと思います。

特に他のお子さんのことでも忙しい通常学級などの先生にとっては「負担が大きい・重い」と感じられてしまうと、結果的にサポートブックを活かすことができなくなる可能性があります。


ですから、相手にとって受け入れやすい内容であるか、具体的に参考になるものであるか、客観的に吟味しながら内容を絞って書くと、実用的なサポートブックになっていくと思います。


☝️親の「分かってほしい」気持ちは一度整理!


親は今、我が子が心配な状況である場合は特に、「分かって欲しい」という想いがどうしても強くなってしまいがちです(私もそうです!)。


「親の想い」は、夫/妻などの家族や、ママ友さん、親の会、スクールカウンセラーさんなどに、一旦吐き出させて貰った上で書くか、何度も見直し、書き直して、事実と具体案を書いていくことをおススメします(どんなに削っても、親の想いはにじみ出てしまうものですしね)。


育児サークルなどで、サポートブックをワークショップ形式でみんなで作ってみるのもいいと思います。(私はスクールカウンセラーさんにチェックして貰いました☺️)

サポートブックの書き方:発達障害・グレーゾーンの子の「合理的配慮」を伝えるコツ


☝️検査結果・専門家の意見もまとめて添付

楽々式サポートブック書き方例-検査結果のまとめ
楽々式サポートブック「検査結果のまとめ」記入例

「親の一方的な思い込み」などと受け取られないよう、できるだけ専門家の客観的な意見や資料を入れるといいでしょう。


医師の意見や知能検査の結果をまとめたもの、または実物コピーを添付したり、誰かの意見を聞きながら作成するようにします。



☝️本人確認といい情報もセットで


子どもの好みや人間関係なども変わりやすいので、本人に聞きながら確認します。

コミュニケーションの手がかりとなる情報や、少しでもできていることに注目し、本人のいいところ、頑張れるところなどのポジティヴな情報は必ず入れます


ほめる目線を下げ、いいところに目を向ける練習は親のペアレントトレーニングにもなります。


☝️行動と困りを具体的に


子どもの心配な面については「行動と困りでみる」ようにします。


「ワガママ」といった性格的な表現は避け、どんな具体的な行動が心配なのか、その背景にはどんな発達上の困りや理由があるのか…などをわかる範囲で書きます(まず、子どもの話を丁寧に聞き取りよく観察し、理由が分からなければ自分で調べたり、医師などに意見を聞くことも大事な過程です)。


楽々式サポートブック書き方例-行動と困り
楽々式サポートブック「サポートテクニック」記入例

☝️家庭での工夫の実例を、学校でのヒントに


そして、対応の「実例・具体例」を挙げます。


「テクニック集」は家庭での育児テクニックのアイデアを、先生などに直伝するためのものです。「テクニックカード」のフォーマットを必要枚数プリントして、ご活用下さい。

声かけなどもできるだけ具体的な台詞を書き、実際の家での取り組みや工夫で、学校でも応用できそうなものがあれば、写真を裏面に印刷したり、実際の支援ツールを添付したりするといいでしょう。


カードの形式にこだわらずに、臨機応変にアレンジして下さい。


ただし、家庭での対応方法はあくまで「ヒント」「参考アイデア」です。

集団教育の場である学校ではそのまま取り入れるのは難しいこともあるので、実際の状況に合わせて、先生の判断にお任せする気持ちでお願いするといいでしょう。

☝️詳細を書きすぎず、できるだけ簡潔に


先生のサポートブックASDのよくある困りと対応・合理的配慮の例
「先生のサポートブック」より

発達障害は個別支援・個別対応が基本とはいえ、細かな気がかりへの対応なども全部詳細に書くと、担任の先生には「大変そう」という印象になる可能性もあります。


サポートブック巻末付録用に作成した「よくある困りと対応例」カード(4種)や、「先生のサポートブック」の「よくある困りと対応・合理的配慮の例」カードをご活用頂くか、資料等のコピーや箇条書きなどで、対応の一覧を添付するといいと思います。


その他、家で使っている視覚支援ツール等があれば、そのまま使えるものは一緒に渡すといいでしょう。

書いたカードは、ポストカード・ケースなどに入れてまとめ、ラベルを貼っておくと、保存・参照しやすくなります。


サポートブック作成は、親のペアレントトレーニングにもなる

我が子のサポートブックを作ってみると、子どもを客観的に見つめ、理解を深め、具体的に対応を考えてゆく…という視点を持てるので、親のペアレントトレーニングにもなります。

もし、サポートブックを学校に渡す予定のない方でも、一度作ってみると子育て力がUPすると思いますよ。


▶︎「楽々式サポートブック」の無料ダウンロード


  • 楽々式サポートブックのフォーマット、記入例

  • よくある困りと対応例カード

  • 先生のサポートブック

  • グレーゾーンの子向けサポートシート文例

などのツールが無料ダウンロードできます。




<関連リンク>

「合理的配慮」関連記事:発達障害・グレーゾーンの子への合理的配慮の実例や、先生への伝え方、入試での配慮などに関するブログ記事 → <合理的配慮>カテゴリーの記事一覧を見る

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