サポートブックの渡し方:発達障害・グレーゾーンの子の「合理的配慮」を伝えるコツ
- 楽々かあさん(大場美鈴)🇯🇵

- 2015年1月16日
- 読了時間: 5分
更新日:10月15日
サポートブックは、発達障害やグレーゾーンの子どもが安心して学校生活を送るために、家庭と学校との架け橋となる大切なツールです。
ここでは、2015年に考案した「楽々式サポートブック」をもとに、継続的な支援と渡し方のコツをまとめます。→「書き方」記事はこちら

■継続的な支援につなげるには……
「楽々式サポートブック」は、ハガキサイズで必要な部分だけ印刷して使うことができるので、いくつかの具体案や子どもの興味などを伝えるために、必要な部分を数枚だけピックアップして、担任の先生や保育士さん、塾や習い事の先生などにも手軽に渡すことができます。
しかし、進級等で担任の先生が変わっても支援のノウハウを引き継いで、継続的なサポートをお願いしていきたい場合、まずは、特別支援コーディネーターやスクールカウンセラーなど、発達障害に理解の深い先生にアポイントをとって「サポートブックを作って渡したい」旨を相談し、内容をチェックして貰うと良いと思います。
■サポートブックの渡し方:発達障害・グレーゾーンの子の「合理的配慮」を伝えるコツ
新年度の担任の先生に活かして頂きたい場合、前年度末から4月中の早いうちに面談等のアポイントを取ると、早めに新しい環境への段差を和らげることができますが、それ以外の時期でも状況次第で柔軟にご活用下さい。
担任の先生に渡す際、できれば管理職の先生やスクールカウンセラー等に同席して頂くといいでしょう。
これは、継続的なサポートをお願いするのと同時に、なるべく多くの人に関わってもらうことで、担任の先生一人に過大な負担を強いることを避けるためでもあります。
☝️期待どおりでなくても大丈夫
それでも、学校側の理解や支援体制、先生の方針などによっては、必ずしも「サポートブック」を好意的に受け取って貰えるとは限りません。
特に通常学級在籍の発達障害・グレーゾーンの子たちの場合、他のお子さんとの兼ね合いもありますから、期待どおりの支援に結びつかない、といった可能性もあります。
ダメ元でトライ&エラーです!
もし、学校側の対応が期待どおりでなかったり、うまく受け取ってもらえなかった、十分活かしてもらえなかったとしても「では、現状で自分にできることは何だろう」と考えてゆけばいいんです。
学校で対応できないことは、外部の相談先や民間の支援機関などの力も借りるなど、できることから一歩一歩進めばいいんです。親が試行錯誤していく過程で、子どもの理解者・支援者を徐々に増やしていくことができます。
発達障害のある子やグレーゾーンの子たちの困り感や、その子に合った対応・接し方・学び方は、具体的に伝えなければ分からないことも多いのです。
過剰な期待をし過ぎず、ダメ元で親が一歩踏み出すことで、結果に関わらず、得られるものは多いと思います。
■親と先生の良好な連携関係には、日頃のコミュニケーションが大事
親と先生が良い連携関係を築くためには、できるだけ日頃のコミュニケーションで信頼関係を作っておくのがいいと思います。
いつも感謝を伝え、もし、先生がちょっとでも子どものために工夫したり、いいところを見てくれた時は「すごく嬉しかったようです」「とても分かりやすかったようです」など、フィードバックします。
対応の結果、子どもにいい変化が見られた時は「おかげさまで最近小さな文字を頑張れるようになってきました」など、折に触れて伝えていきます。
小さなことでも、感謝されると嬉しいのは子どもだって、親だって、先生だって、同じですから。
☝️サポートブックの情報は、適宜見直し・更新を
また、何年もサポートブックを使っていくと、お子さんも周りの環境も変化していくので、今のその子に合わせて情報を更新し適宜カードを追加・修正していく必要もありますし、もし、お子さんが環境に適応し、特別な配慮が必要ではなくなったら、サポートブックは返却して頂くといいでしょう。
先生と保護者が連携しながら、ひとつずつ対応していけば、子どもも、先生も、親も、必ず前進できますからね😉
■作者からのメッセージ
以下、「楽々式サポートブックについて」より抜粋。
"発達障害のお子様への対応は、保護者と支援者がお互いにサポートし合うことで、本人のサポートにつながります。困ったこと・心配なことがあれば、その都度課題を共有し、ひとつひとつ具体的に対応していくと、必ず落ち着いていきます。
但し保護者・支援者が、個人でできる範囲を超えて頑張りすぎると結果的に子どもの支援ができなくなります。必要に応じて、校内のチーム援助や外部の協力機関、相談先等、サポートする側もサポートされるように、ご助力・ご協力頂けますよう、関係者様にお願い申し上げます。
サポートブックによって、子ども・保護者・支援者の全てに対して、理解と支援の手が差し伸べられるよう願っています。
2015.1. 楽々かあさん"
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<関連リンク>
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