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受験当日にパニックになった長男に、大学がしてくれた「合理的配慮」体験談

  • 執筆者の写真: 楽々かあさん(大場美鈴)🇯🇵
    楽々かあさん(大場美鈴)🇯🇵
  • 5 日前
  • 読了時間: 7分

受験シーズン真っ只中ですね。うちの高3次男も、これから本命校の一般入試です。

昨今の大学受験では、半分以上のクラスメイトが推薦・総合型入試で昨年中に進路が決まる中で、年明けから共通テストや一般入試に臨む、高3生のプレッシャーは相当なものだそう。

お腹を温かくしてね。応援してます。


さて。今回のブログは、昨年、長男が”2回目の”大学入試に挑戦した時のお話をしたいと思います。

※この記事は、あくまでうちの体験談です。受験上の配慮の可否や内容は、大学・試験・状況によって異なります。


大学受験当日、現場の判断で「別室受験」の合理的配慮を受けた長男の体験談

高校3年生の時、長男は大学受験で大きな挫折経験を引きずる中、不完全燃焼の状態で「とにかく受験から解放されたい」一心で、バタバタと入学を決めた大学は、配慮してくれたものの、どうしても環境が合わずに中退……😅

そして、紆余曲折を経て、本当に行きたい大学を再受験することに(例によって「本命校しか受けない」作戦です)。


今度は、持ち前の「ADHDの過集中」と「ASDの粘り強さ」の個性を発動し、短期間ながらも実力十分で、年明けからの一般入試に臨みました。少なくとも、勉強の面では準備万端だったのです……が。


😅緊張すると貧乏ゆすりの癖……それは「普通の範囲」だと思っていた


長男には緊張すると、貧乏ゆすりをする癖が出てしまいます。

貧乏ゆすりは、本来、緊張やストレスに対する体の自然な反応なので、本人も無意識で出てしまうため、いろいろと試してはみたものの、「気をつける」「治す」が難しいことではあります(自宅での学習では、長男は貧乏ゆすりした方が、学習効率が上がるようです)。


隣席の受験生さんには大変申し訳ないのですが……。

実際、各大学から配布されている「入試要項」や「受験上の注意」などでは、試験中の貧乏ゆすりは、咳やくしゃみ、鼻すすりなどと同様、「日常的な生活・環境音」の範囲とみなされ、隣席の方が気になっても「救済措置の対象外」となることが明記されている場合もよくあります。


ですから、私も長男も、貧乏ゆすりは「普通」「よくあること」の範囲だと思っていました。

長男には発達障害がありますが、そもそも貧乏ゆすりを理由とした受験上の配慮などは頭になくて、それ以外のことも含めて、「受験に大きな支障はないもの」と判断し、事前相談や入試での配慮申請などをすることもなく、他の受験生さん達と同じように入試本番に臨んだのです。


😰入試初日。試験監督の注意がきっかけで、静かなパニックからの体調不良で途中退席


ところが、挫折と中退から立ち直ったばかりの長男は、メンタル面での不安や大学受験制度そのものへのプレッシャーが大きく、いつも以上に緊張した状態で、第一志望大学の一般入試初日を受験しました。

具体的な程度は私もわかりませんが、多分、机がかなり揺れてしまったんだと思います。


休み時間に隣席の受験生さんから試験監督に相談があったらしく、初日の最後の受験科目の時間中に、試験監督から筆談で、長男に貧乏ゆすりに対するご注意がありました。

通常の状態なら、(あ、気づかずにすみません。気をつけます)で、済んでいたのかもしれません。


でも、長男はただでさえ予想外の事態に弱い上に、当時はこれまでの挫折体験で、メンタル面で極端に打たれ弱くなっていたので、試験監督のご注意をきっかけに、パニックになってしまいました。


……突然の事態に、血の気がすーっと引いて、頭の中が真っ白になったのだそう。

(親としては、ここで大騒ぎしなかっただけでも、ほめてあげたいところです)


長男は顔面蒼白のまま、なんとか駆け足で問題を一通り解き、手を挙げて体調不良を訴え、試験中に静かに途中退席しました。


☝️保健室の先生に、明日以降「配慮を受けての受験」を勧められ……


大学の保健室に案内された長男は、しばらくそこで休ませてもらいました。

長男はこの大学しか受験しないので、翌日、翌々日にも、一般入試での受験を控えていました。

そこで、保健室の校医の先生から、長男に「明日から、別室受験の配慮を受けてはどうでしょうか」との提案があり、長男も「それなら、とてもありがたいです」と希望。


この時に、私もお電話をいただき、経緯と長男の状態と、配慮の提案が伝えられました。

(長男に発達障害があることは、この電話で口頭で伝えましたが、もし言わなくても、たぶん、別室受験の配慮は受けられたと思います)


【配慮事例】別室受験と、クッションの持ち込み


今回の場合に、長男が受けられた受験上の「合理的配慮」は、


  • 別室受験

  • クッションの持ち込み


です。クッションは、椅子が固いと余計に貧乏ゆすりがでて、周囲に振動が伝わってしまうことを不安に思って、本人の希望で自宅で普段使っているものの持ち込みをお願いしました。


試験日二日目より、一般の受験生さんよりも少し早い集合時間となった長男は、当初の予定の試験会場とは違う、大学構内の別の試験会場に案内されました。

そこで、自宅から持ち込んだクッションのチェックを受けて、不正がないことを確認し、試験会場に持ち込みの許可がでました。


別室受験の会場は、他の配慮ありの受験生さんと同室でしたが、それでも、二日目は長男含めて二人、三日目は長男一人だけだったそうです。


別室受験の会場では、他の受験生さんとは、席を教室の端同士に離してくれて、気兼ねなく受験できたそう。

ただし、「試験監督は3−4人いた」とのことで、受験生よりも監督の人数が多い状態での受験でした😅


長男の場合は、試験時間の延長などはせず、一般の受験生さん達と同じタイムスケジュールで受験し、緊張はしたものの、貧乏ゆすりで他の受験生に迷惑になったり、試験監督に注意されたりする不安がなかったので、落ち着いて受験できたようです。


結果、無事、合格できました🌸

今はこの大学の一年生です。


事前申請が全てではない。でも、「普通の範囲」「よくある」で片付けずに対策を

今回の長男の場合の配慮事例は、複数回受験で二日目・三日目があったから可能だった面もありますが……。

受験上の合理的配慮は、事前申請だけではなくて、当日の現場の判断でも、柔軟に提案・許可されることもあるのだと知りました。


思い返せば、長男の中学受験の時も、過度の緊張から静かなパニックが起こって、結果的に急遽、保健室での別室受験に切り替えての対応をしてもらいました。→関連ブログ記事

でも、この時の経験を「長男もあれから成長しているから」「高校の定期テストでは大丈夫だったから」などと、私もつい過信してしまっていた面もあります。


「たかが貧乏ゆすり」「よくあること」「普通の範囲」などと思わずに、当時の長男のメンタル面の状態や、試験本番では通常以上に緊張しやすくなること、高校の定期テスト等とは違う「いつもと違う」状況で行われること、他の受験生さん達も緊張していること、などを総合的に考慮して、事前に配慮申請しておけば、初日から周りにご迷惑をおかけせずに、安心して受験できたかもしれません。


……とはいえ、実際の入試では、事前に想定できる範囲を超えたことが起きる可能性も十分あります。


今回の長男のように、柔軟に現場で判断してくれたことは本当にありがたいし、保護者としても、この大学に進学できることを、とても心強く思いました。


🌸「合理的配慮は周りの人のためにも必要」だから。入学前に自分で事前面談をお願い


そして、この時に合理的配慮を受けての受験を経験した長男は、「入学してからの期末考査試験などでも、同じように別室受験での対応をお願いしたい」などと希望し、自分で入学前に大学側の学生相談室保健センターなどと連絡を取って、事前面談をお願いしました。

(詳しくは、そのうち別のブログ記事でお伝えできればと思います)


本人曰く、「俺が別室受験の配慮を受けることは、周りの人にとっての配慮にもなるから」と、自分の貧乏ゆすりで隣の席の子に迷惑をかけないためにも、それで自分が注意されてパニックにならないためにも、特別扱いとかではなくて、配慮 = お互いにとって必要な、Win-Winの合理的な選択、という認識でいるようです。


合理的配慮は、お互いにとって「努力」や「ガマン」や「諦め」以外の選択肢になること、発達障害のある子もない子も、受験生とその保護者のみなさんにも、覚えておいていただけると嬉しいです。


できることなら、どの受験生さんも希望が叶いますように……🌸


(記事協力/監修:長男)


※この時にも活かされた「学校への伝え方」「本人の相談力の育て方」などについては、3月発売予定の新刊『担任の先生に伝わる!子どもがラクになる合理的配慮サポートブック』でも、わかりやすくお伝えしています。→Amazonで見る(予約受付中)

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