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診断がないと配慮は受けられない?グレーゾーンの子のための学校への伝え方

  • 執筆者の写真: 楽々かあさん(大場美鈴)🇯🇵
    楽々かあさん(大場美鈴)🇯🇵
  • 2 日前
  • 読了時間: 11分
発達障害グレーゾーン・未診断の子は、学校で配慮や合理的配慮を相談できるのでしょうか? この記事では、診断がなくても学校と相談できる理由や、診断書を求められた時の考え方、担任の先生への伝え方のコツを、実際の連絡帳・口頭での実例つきで紹介します。

発達障害グレーゾーン・未診断の子が学校で困りやすい理由


今回は、主に通常学級で学ぶ、発達障害グレーゾーンのお子さんについて。

うちの次男も長女も、グレーゾーンです。


次男は一度長男と一緒に専門病院で診てもらったことがありますが、ASDの傾向があるものの、確定的な診断には至らないまま、現在大学1年生で、一人暮らし奮闘中。

長女は、小学校低学年では、文字の「読み」にやや遅れがあってLDを疑い、かかりつけ医に相談しましたが自然と成長が追いつき、「ある程度」大丈夫になったので、未診断のまま、現在高校1年生。


今では二人とも、しっかりした優しい子に育ってくれましたが……


ただ、診断がないからと言って、本人が何も困らなかったわけではありません。

特に、小学校時代は、次男は繊細で言いたいことがはっきり言えなかったし、長女も字は読めるようになったものの、文章の内容の深い理解は難しく、読書も苦手

また、二人とも、聴覚や触覚などの感覚過敏があり、人の多いところは疲れやすい体質です(今も)。

集団教育自体の負担が大きく、時々欠席が増えたり、次男は過敏性腸症候群で悩んだりもしました。


以前も書きましたが、発達障害のある子には「努力では乗り越えられない壁」(=環境との間の障害物)があると考えていますが、


その一方で……

グレーゾーンの子には、「努力でギリギリ乗り越えられる壁」がある

と私は理解しています。


つまり、グレーゾーンの子の負担は、「できない」のではなく、「頑張れば、なんとかできてしまう」ところにあると思っています。

子供にある程度の「努力」や「我慢」を教えるのは大事だと私も思いますが、

全てを「がんばれば、できる」「それくらい、みんな我慢してる」で、乗り越えてばかりだと、だんだん、しんどくなってしまいますよね(大人だって、身に覚えある方もいるでしょう)。


そして、「みんなと同じように」するために、人一倍頑張りすぎてしまうので……


知らず知らず疲れを溜めてしまったり、いつの間にか学習への意欲を失っていたり、「よくわからないけど、なんとなく、学校行きたくない」なんて言われたり(全部、うちの実例です😅)


では、こんな、診断がないグレーゾーンの子には、親も学校も何もできないのでしょうか?


診断がないと学校に相談できない?という誤解


実は、「診断がない=何もできない」わけではありません。


実際、障害者差別解消法の考え方や文部科学省の対応指針でも、合理的配慮を受けるために診断書や障害者手帳の提示が一律に必須とされているわけではありません。


でも、学校が何の情報もないまま、配慮を決められるわけでもないでしょう。


大切なのは、診断名があるかどうかより、「その子が今、どんな場面で、どれだけ困っているか」を具体的に共有して、相談していくことです。

グレーゾーン・未診断だからといっても、その子が教室で困っていることには、変わりないのです。


とはいえ、通常学級の担任の先生も、多くの子がいる教室でできる個別対応には限界があるでしょう。

すると、配慮をお願いすると、「では、診断書を」と求められることもあります。


☝️学校で「診断書を」と言われたら

学校側から「診断書を」と求められる背景には、「ひいき」「ズルい」「不公平」なんて、クラスのお子さんや保護者から思われない根拠や、「本当に必要な支援なのか」判断する材料が必要……などの事情もあると思います。


でも、診断書は、そんなにすぐに用意できない場合だって、ありますよね。


【診断書がすぐ用意できない理由】


まず、子どもの発達障害の専門の医療機関や専門医が、ニーズに対して大幅に不足している現状があります。地域や病院によっては、初診の予約が半年以上待ち、なんてこともよくあるでしょう。


※初診時点で15歳以上の場合、成人向け医療機関の対象となることも多いようです(医療機関によって対象年齢に幅があります)。大人の発達障害に対応可能な精神科・心療内科や専門外来など、受診先の選択肢は小児期より広がります。ただし、発達障害に詳しい医師は限られるため、できれば専門知識や診療実績のある医療機関をおすすめします。

医療機関の現状などを、連絡帳で担任の先生に伝える時に役立つまとめの活用例(再現イメージ)
医療機関の現状を伝えるまとめの、連絡帳での活用例(再現)

そして、通常、発達障害の確定診断までには時間がかかります(特に子どもの場合は)。


生育歴の聞き取りや経過観察、各種検査などを経るため、診断まで数か月、場合によっては数年かかることもあります。


診断書も、お願いして当日発行してもらえるとは限りません(文書料も保険適応外になります)。



👉参考:連絡帳などに貼って、担任の先生に発達障害の基本的な知識や、よくある対応例などをまとめて伝える時に役立つ「現場の先生へ」コラムページは、以下の書籍の購入者限定特典として、一括ダウンロードできます。



【様子を見ましょう、と言われても…】


また、お医者さんに「発達障害とまでは言えない」「しばらく様子を見ましょう」と言われた場合も、医学的には正しい判断でも、学校などの社会では、負担が積み重なってしまうことも。


「様子を見ましょう」は、「医学的な診断は、成長や生活の様子などを見ながら慎重に……」という判断でしょうから、「何もせずに、ほっておきましょう」と、同じ意味ではありませんからね☺️


子どもの発達を見守ることと、配慮やサポートをお願いすることは、分けて考えるのが賢明です。


グレーゾーンの子の場合……

診断がある子ほどの大きな壁はなくとも、たくさんの小さな壁や、ちょっとしたつまづきを、誰にも気づかれないまま、人知れず、努力やガマンで乗り越え続けていることがあります。


では、どんな風に伝えたら、グレーゾーンの子の困り感をわかってもらえるのでしょうか?


☝️診断がなくても、子どもの困り感を理解してもらう伝え方

実は、私がこれまで著書やブログでお伝えしてきた「伝え方の工夫」は、診断のある子・ない子で、線引きをしていません。


※子どもへの伝え方の工夫は、書籍『伝わる!声かけ変換』でもまとめています☺️

「声かけ変換」は、どんな子にも伝わりやすい親子コミュニケーションですし、それを応用した「先生への伝え方」も、診断名ではなく、今のその子の困り感を理解していただき、教室での具体的なサポートにつなげるためのノウハウです。


うちでも、「発達障害だから」ではなく、「その子が今、学校で困っているから」合理的配慮を相談したり、体質的なことの理解をお願いしてきました。


発達障害グレーゾーンの子のことを、学校と相談する伝え方のコツ


でも、子どもへの配慮をお願いしたら、「みんなそうですよ」「他にもそういう子はいます」なんて、言われそうだし、通常学級では特に、なかなか「うちの子だけ」なんて言いづらいですよね。

子ども自身も、クラスの子達と違う扱いを嫌がる場合もあります(うちの次男が特にそうでした)。


ただ、一見大丈夫そうに見えるグレーゾーンの子の、感覚過敏や発達の時差、頑張りすぎなどからくる特有の困り感や負担感、疲れやすさなどは、伝えなければ周りの人には想像しにくいのです。


☝️伝え方のポイント(診断の有無に共通)

そんな時の、伝え方のコツは、ズバリ!

その子が「どんな場面で、どれくらい困っているのか」を具体的に伝えると「ただのワガママではない」と理解して頂きやすくなります(診断のある子も同じです)。


例えば……

「うちの子、忘れ物が多いんです」

→「うちの子は、週に4〜5回、宿題や大事な提出物を出し忘れてしまいます」


などと、具体的な頻度程度、(消しゴムやハンカチとは違う)「大事な提出物」などの具体例を入れるだけでも、「誰にでも、よくあること」とは少し違う、と伝わりやすくなります。


また、

「(子ども)は、『毎朝、気をつけているつもりなのに、学校に着くと出すのを忘れちゃう』と話しています」

など、本人から聞き取った話をそのまま伝えると、その子の気持ちや困り感が理解されやすいです。


そして、診断がなくても、担任の先生などには、「今スグ、できることを」具体的に相談していくといいでしょう。その子に合わせた方法なら、小さなことでもいいのです。例えば、


「提出物を出す時に、個別でも声かけをお願いできないでしょうか?」

「提出場所に、目印などをつけていただけると助かります」など。


連絡帳の文例記事にもあるように、ちょっとした声かけや工夫程度の「今スグできること」を、相談しながら一緒に調整していくイメージで伝えれば、通常学級の先生にもさほど負担になりませんし、「家ではこうしています」と伝えるだけでも、対応のヒントになります。


(ただし、教室で目立つことや、特別扱いを嫌がる子もいるので、「先生に、こういうことお願いしてもいい?」など、相談の前に、お子さんに事前確認するといいでしょう)


伝え方のポイント3つ

  • どんな場面で、どれくらい

  • 本人の気持ち・困り感

  • 「今できること」を相談


☝️園・学校との相談・連絡帳の実例(うちの場合)

では、実際に私がグレーゾーンの次男や長女のことで、担任の先生などに相談した時には、どんな風に伝えたのか、実例でご紹介します。

※参考:これらの連絡帳の文例や口頭での伝え方は、著書「担任の先生に伝わる! 子どもがラクになる合理的配慮サポートブック」から抜粋し、適宜、この記事に合わせて再構成しました。



実例1:園の先生に聴覚過敏を伝えて、遠足での配慮をお願い(長女・幼稚園)


【口頭】

お世話になってます。明日の遠足のバスことで、少し相談してもよろしいですか?

(長女)は、大きな車の音がすごく苦手で、家の近くを大型トラックなどが通ると、いつも耳を塞いで私の膝の上に乗って離れないことがあります。

明日の遠足では大型バスを使うとのことで、「遠足は楽しみだけど、バスがすごく心配」と言って、不安に思っているようです。

なにか、良い方法はないでしょうか?


→結果:先生が「じゃあ、先生の近くなら、大丈夫そう?」と長女に聞き、座席を配慮してくれた。


実例2:担任の先生に特徴と負担を伝えて、声かけをお願い(次男・小3)


【連絡帳】

いつもお世話になっております。

(次男)は、お伝えしている通り、感覚過敏があり疲れやすい体質ですが、ASDの傾向もあり、思い詰めやすいところがあります。

最近、ノートに丁寧に字を書くあまり、課題が授業内に終わらず、「休み時間に休めない」と訴えることが続き、今日は疲労から欠席してしまいました。

授業中に終わらなかった課題は家でやるので、できれば「休み時間は休んでいいよ」など、先生から声かけしていただけると、助かります


→結果:先生も心配していたので、時々頑張りすぎないように声かけしてくれた。


実例3:担任の先生にお願いし、宿題で使っている道具を学校に持参(次男・小3)


【連絡帳】

いつもお世話になっております。

(次男)は手先がやや不器用で、算数のコンパスを使った課題などを何度もやり直して、とても時間がかかってしまい、本人もコンパスの授業に不安を感じているようです。

家での宿題では、カッティングマットを下敷きにすると上手にできるので、学校でも使わせて頂きたいのですが、本人は「他の子と違うことをするのが心配。もし、先生からみんなにも使っていいと言ってもらえるなら使いたい」とのことです。

本日、実物を持参させておりますので、ご検討いただけますと大変ありがたく存じます。


→結果:先生がみんなに「使いたい子は使っていいよ」と言ってくれて、次男も使えた。


診断がなくても、今できる、小さなことから相談を…

診断があるか、ないかより……。

その子が今、学校生活の中で何に困っていて、どうすれば負担や不安が減るのかを、具体的に相談していくことが大事だと思います。


グレーゾーンの子は、「頑張ればギリギリ乗り越えられてしまう」からこそ、周りに気づかれにくく、知らないうちに疲れや負担を抱え込んでしまうことがあります(うちの子達もそうでした)。

「診断がつくまで何もできない」「障害じゃなければ配慮できない」なんて、遠慮しないでOK😉


今スグできる小さなことから、先生と相談しながら、学校での負担や不安を減らしてあげると、お子さんもラクになっていくと思いますよ。


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この記事の内容は、実例・連絡帳文例・面談の進め方、合理的配慮の伝え方や、担任の先生との信頼関係の築き方、学校との上手な連携まで含めて、書籍で詳しく解説しています。
『担任の先生に伝わる! 子どもがラクになる合理的配慮サポートブック』※DL特典つき

関連書籍:

『担任の先生に伝わる! 子どもがラクになる合理的配慮サポートブック』大場美鈴・著(2026.3/合同出版)

『担任の先生に伝わる! 子どもがラクになる合理的配慮サポートブック』大場美鈴・著(2026.3/合同出版)

本書に収録している連絡帳の文例や伝え方は、私とうちの子達の先生との実際のやりとりや実例をもとにしています。

もし本書がお役に立てましたら、Amazonなどでご感想をお寄せいただけると嬉しいです。

「こんな時に役立った」「ここが助かった」など、ひとこといただけると、今後の執筆活動の参考&励みになります☺️


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