■興味・関心優先の勉強サイクル
学校の一斉一律の集団教育での学習が合わない子・教科書や問題集中心の勉強ではあんまりやる気が出ない子などは、とにかく「興味をもたせること」が、私は第一歩だと思っています。
そこで、うちの中学受験勉強では、
…というサイクルを基本にしていました(少し遠回りですが…)。
なので、Amazon primeビデオ、Netflix、Huluなどのサブスク配信動画や、PPV・レンタル視聴などで、興味を引き出す最初のきっかけ作りに積極的に活用しました。コロナ中の夏休みや、勉強にあんまり意欲が上がらない時の息抜きとしても大活躍。
特に、LDグレーゾーンの長女は、軽い読字障害の傾向があり、高学年頃には教科書の音読などは支障なく読めるようになったものの、文章の内容を正確に理解するのが苦手で、文字情報での学習は得意ではなく、本を読むのに時間がかかるので、読書などもあまり好きではありませんでした。
そのため、好奇心旺盛でネット検索魔の長男やマンガ博士の次男とは、基本的な知識量で圧倒的に差がついていて、受験勉強スタート時点で、学習の土台となる知識の引き出しがかなり少なかったのです。
でも、長女はYouTubeなどの配信者の話し方を台詞ごとマネたり、パパと一緒に観ていたNHKの朝ドラなども話の流れや心情などもよく理解していたので、音と動きのある動画や映画なら頭に入りやすいタイプ。
そこで、6年生の夏休み中に歴史系アニメを時系列で一気見して、一通りの時代の流れを掴んでもらいました(それまでには、Eテレ for schoolの「歴史にドキリ」などは視聴済みで、角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」も一通りは読んでます)。
なので、参考までに去年の夏休み、長女と観た…
■ 中学受験勉強にも役立つ!歴史系アニメ配信動画リスト
…を以下に時系列でご紹介! 兄達も一緒にツッコミ&蘊蓄解説しながら面白そうに観てたので、中高生にもオススメです。
※ うちでは全部親子で一緒に観ましたが、暴力的・性的描写などを気にされるご家庭や、血しぶきなどの表現が苦手なお子さんもいると思うので、一応レーティング情報も記載しておきます。
※ 題名リンクは公式サイト(あれば)。参考までに、見放題/レンタル視聴のAmazon Prime Video での各作品リンクも掲載していますが、各動画配信サービス等の最新情報は各自でご確認下さい。
<〜縄文時代>
「ドラえもん 新・のび太の日本誕生」(映画:1時間43分) ★全年齢
7万年前のまだ人が住む前の日本が舞台。石器時代の文化や生活を背景に、中国大陸からやってきた少年ククルと、のび太達との交流と冒険を描く。
<弥生時代〜奈良時代>
「火の鳥」黎明編・太陽編(シリーズ:全13話)★全年齢
NHKのTVアニメシリーズ。手塚治虫原作の普及の名作。人類の歴史と地球を見守る不死の生命体、火の鳥を追って展開されるストーリー。黎明編は登場人物に卑弥呼も出てくる邪馬台国の弥生時代、太陽編は渡来人文化と仏教伝来を背景にした奈良・飛鳥時代が主な舞台。
奈良時代が舞台のアニメ映画「鳳凰編」は動画未配信。レンタルビデオを探すしかないかも?(「望郷篇」も、「火の鳥エデンの花(PHOENIX: EDEN17)」としてアニメ化され、2023年11.3公開!)
<平安時代>
「平家物語」(シリーズ:全11話)★13+
平安時代末期、栄華を極めた平家一門の没落を、琵琶法師の少女・びわの視点を中心に映像美豊かな世界観で描く。貴族社会から武家社会への歴史的転換点。
<鎌倉時代>
「アンゴルモア元寇合戦記」(シリーズ:全12話)★13+
鎌倉時代末期の元寇がテーマ。対馬を舞台に、罪人となった元御家人・朽井迅三郎や対馬の人々達と圧倒的な戦力を誇る元軍との攻防を描く。大人向けですが、時代考証等かなり研究された印象(※気前よく首が飛びます)。原作・たかぎ七彦。
<室町時代>
室町時代を舞台にしたアニメ作品は非常に少なくて、古くは「一休さん」とか…。
New!
「逃げ上手の若君」(2024.7.6- 現在放映中)★16+
現在放映中・少年ジャンプ連載中の作品で、原作は「暗殺教室」の松井優征先生。
鎌倉幕府滅亡〜南北朝時代が舞台の、北条一族の生き残りの少年・時行と足利尊氏との戦い(鬼ごっこ)を描いた作品。現在進行形で親子で観てます!作画が神!
<戦国時代>
「織田シナモン信長」(シリーズ:全12話)★7+
織田信長を始め、戦国武将達が現代日本で転生して「犬」になっちゃった!…という、トンデモ設定の、目黒川うな原作ギャグ・アニメ。でも、戦国あるある小ネタや独自過ぎる年号語呂合わせとか、案外参考になります。武将名も犬種で覚えてしまいますが…(笑)
<江戸時代>
「百日紅~Miss HOKUSAI~」(映画:90分)★全年齢
葛飾北斎の娘、浮世絵師・お栄の物語。江戸の町の人々や父・北斎との生活が四季の変化が描かれ、映像的にも美しい作品。
<明治時代> 「ゴールデンカムイ」(シリーズ1〜4期:全49話 ※5期最終章は未配信)★16+
明治末期の北海道を主な舞台にした、アイヌの残した金塊を巡る冒険活劇。アイヌの人々の生活の知恵や文化、サバイバル術など非常に詳しくて、本当に面白くて素晴らしい作品です。"が"、バイオレンス&性的な過激描写もあるため、小学生には刺激が強いので、気になるご家庭は先に大人が観てから判断されるといいかも(うちは、原作コミックスも全巻揃えましたが〜)。
<大正時代>
大正時代を舞台にした作品は沢山あるのですが、「鬼滅の刃」を始め、ファンタジー色が強い物が多くて、歴史の勉強になるかというと…?? 「わたしの幸せな結婚」も、背景は明治大正っぽいですね。
親世代には懐かしい「はいからさんが通る」は、2017年に新作劇場版が公開されています(未視聴)。 <昭和時代> 「この世界の片隅に」 (映画:2時間9分)★13+
広島で生まれた絵の得意な少女すずが、戦中〜戦後を生き抜く物語。戦時下の食糧難での人々の暮らしの工夫や、当時の結婚事情なども豊かに描かれた作品。原作・こうの史代。情緒豊かで印象深いシーンが多く、長女の心にも残ったようです。
…と、こんな感じで日本の歴史の流れを、時間のある時に親子で楽しみながら一通り観ておくと、その後の教科書や参考書などの内容も、(多少字を読むのが苦手でも)頭に入りやすいと思います。 親も一緒に観ておくと「そういえば〇〇でも、こんなシーンがあったでしょ?」って、子どもがイメージしやすく解説できます。
あ!
中には史実にかなり忠実な作品もあるとはいえ、それでも、もちろん基本は創作物・ファンタジーなので、「アニメではこうだったけど、実際はこうだったんだよ」って正確な情報を教科書・参考書等で確認するなど、後で親子で振り返るといいでしょう(くれぐれも、テストでアニメの内容をそのまま描かないように!)
ファンタジー作品でも、子どもが興味を持って、世界観やその時代の空気感、生活感などが伝わると、知識を入れる引き出しが増えて理解の手助けになると思いますよ。
猛暑日が続きますが、エアコンの効いた部屋で涼しく楽しく、ゴロゴロと受験勉強するのがうち流のオススメの過ごし方です。 【追記】新しく参考になる作品をうちで視聴したら、随時リストに追加していきますね。