No.046
「母レター」ASDのある子に暗黙の了解や複雑なソーシャルスキルを教える工夫
今年のバレンタインデーもきっと、かあちゃん&ばあちゃんチョコだけだと思われる息子たちに、今からこつこつ教えておきたいことが山ほどあります(笑)
「母レター」は、かあちゃんからの愛の説教お手紙です。
「ルールブック」とかぶるところもあるので、厳密に分けなくてもいいのですが、より複雑なソーシャルスキルを「母レター」では、社会のマナーや暗黙のルール、人付き合い、ニュースや社会の仕組みについての説明、性教育……など、私の個人的な主観や経験則も入った、親として伝えたい「処世術」みたいなところを、何かあるたびにレポート用紙に書いて、ルーズリーフに綴っています。
体験から自然と学習しにくい子、聴覚情報が入りにくい子には、口頭で延々とお説教するよりも、紙に書いて、視覚的に説明したほうが理解しやすく、受け入れやすいようです。
子どものほうから、「◯◯のこと、これに書いて説明して」と、言ってくることもあります。
(紙に書いて教えたからと言って、この通り実行してくれる保証はないのですが、頭の片隅には残るようです)
図やイラストを交え、子どもに分かりやすい言葉を選んでいる他、文章の書き方についてはキャロル・グレイさんの「ソーシャルストーリー(TM)」を参考にしています。
…ですが、ソーシャルストーリー(TM)には、厳密なガイドラインがあり、私がそれを全て遵守しているわけではないので、私が作ったものは「母レター」という言い方にしておきますね。
今まで私がお伝えしてきた接し方と同じように、ソーシャルストーリー(TM)でも、
肯定語で伝える
達成したことをホメる
…などの基本姿勢がある他、文章の構成や比率などが厳密に規定されています。
なぜこのような細かなガイドラインがあるかというと、親や支援者が子どもたちに都合よく言うことを聞かせるために、ソーシャルストーリー(TM)を乱用しないため、だそうです。
確かに視覚情報が入りやすい子どもにとっては、耳からのお説教はスルっとスルーできても、紙に書かれると頭に入りやすい分、失敗体験や叱責を何度も何度も繰り返し味わってしまうことになりかねないので、注意が必要なのはよく分かります。
長男も、漢字書き取りのノートで漢字を訂正されることに極端に傷ついていたので、「注意・叱責の見える化」は、できるだけしないほうがいいように思います。
こんなことを意識しつつ、母レターの主な内容は
「(人にものを頼む時の)タイミングのはなし」
「女の子を傷つけないはなし」
「タン・ツバのマナー」
「学校給食のはなし」・・・などなど、多岐に渡っています。
給食の話は、テレビで外国産の食材の危険性についての番組を見た後、不安になって「給食が食べれない。明日学校いけない」と言い出しだので、安心させるためにいろいろ説明したものです。
実際のところはどうであれ、子どもは給食を全く食べないわけにはいかないので、理想やきれいごとだけでなく、現実との折り合いの付け方なども私なりにレクチャーしています。
物事をどうとらえるか、どう思うか、は子どもの気持ち・感情なので、「キライな子がいる」なども否定せずに受け止めつつ、そういった気持ちとどう付き合っていくか、私なりに導いてあげられたらと思っています。
関連著書:「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」 大場美鈴・著(ポプラ社/2017.2)→Amazonで見る
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