■特別支援学級(支援級)に長男が転籍してみた
長男◯太郎、五年生。
今まで、あの手この手でフォローしながら通常学級で頑張ってきましたが、「おれ、人数が少なければ少ないほど、集中できる気がする」と自分の意思で、特別支援学級に転籍致しました!
昨年度中、取り出し個別指導などで「人が少なければできる!」という自信が持てたのと、だんだんと周りのお子さんとの違いに対して、本人なりに想う所も出て来たから、のようです。
転籍する前に学校にお願いして、何度も長男自身で見学・体験させて頂き、私も詳しくお話を伺って、親子で納得できたので、今年度から支援学級に飛び込んでみました!
特別支援学級が、その子の力をのびのびと伸ばせる環境になるかどうか、は本当に学校ごと、先生ごと、他のお子さん達との関係……等々で、クラスの雰囲気や学習内容も大きく違ってきますので、これから入学、転籍をお考えの方は、実際に何度もお子さんご本人と一緒に、納得出来るまで見せて頂くのが良いと思います。
うちの支援級は2クラスあり、身体・知的に困難さのあるお子さんとクラスが分かれた「情緒級」に、長男は在籍することになりました。
そして「交流学級」と呼ばれる、特定の通常学級にも籍を置き、比較的得意・興味のある科目(パソコン、英語など)は、今まで通り、五年生の皆と一緒に授業を受ける予定です。
支援級の授業内容は長男いわく「簡単すぎる」とのことですが、先生と相談しながら内容を調整して頂いているところです。
支援級は児童数の上限が8名なので、児童一人当たりの教員数も多く、副担任の先生、介助員さんなどチームで手厚くケア&サポートして頂け、長男は連絡帳などもちゃんと書いてくるようになりました。 iPadも持ち込んでいますが、今のところ出番は少ないようです。
新学年が始まって二週間。 クラスのことをいろいろと話してくれるようになり、結構楽しく通っているみたいです。
私は長男は支援級に入って良かった、と思っています。
実は、今まで通常学級では、クラスのお子さん達はとても温かく長男に接してくれていました。でも、本人は精神面でも凸凹差が大きく、同学年のお子さん達とは、あまり話が合わないようでもありました。
親としては本当にありがたい限りなのですが、親切な女の子が長男の出しっ放しの体操服をしまってくれたり、遠足のお弁当を一人で食べていると、リーダー格の男の子が声をかけてグループに入れてくれていました。
皆、長男をお世話し、気遣い、守ってくれていた反面、成長に伴い、本人の自尊心も育ち、複雑な気持ちも芽生えてきたようです。
そんな長男が、情緒級では一番年長ということもあり、年下のお子さん達に話しかけ、一緒にあそび、うまくはないけれど落ち着けないでいる子をなだめてあげて、自分なりに関わっているんです。
先日の参観日。 支援級のお子さんのお母さんが「いつも◯太郎君がうちの子に話しかけてくれて、本当にありがとうございます」と私に話して下さって、とても感動しました。 (今まで謝ることはあっても、他のお母さんにほめられた経験が少ないもので。。。笑)
多様なお子さんの集まる支援級。
その中で、◯太郎なりに自分の「役割」を見つけられるんじゃないかな、って、精神面での成長に大きくプラスになるような気がしています。
そんな気持ちで、イラストを描きました。
(以前長男に渡した「告知絵本」の中の「障害ってなんだろう?」の部分で描いたのと同じイメージです。)
例えば、ひまわり畑があったとして・・・
黄色の花一面の中に、水色のひまわりが一本だけあったら、すごく目立ちます。 でも、色とりどりのひまわり畑の中なら、それが「フツー」です。
水色のひまわりは、一面の黄色の中では孤独かもしれません。でも、「希少性」や「オリジナリティ」を発揮しやすいです。
一方、色とりどりの中では、個性の違いに悩まずに済みますが、強烈な個性の中で、埋もれてしまう可能性だってあります。
どちらがいいとか悪いではなく、環境は自分の意思で選べる、ということです。その中で「自分の役割」を見つけられればいいのだと思います。
私は、支援級も、そして通常学級も、どちらも長男に経験させることができて、本当に良かったと思っています
初出:メルマガNo.046(2016.4.23.発行) 楽々かあさんのアイデア支援ツールと楽々工夫note2016.4.23 Facebook投稿
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