• 楽々かあさん(大場美鈴)

合理的配慮と学校との連携

最終更新: 3日前

学校に対して発達障害&グレーゾーンの子への理解と対応の求め方、連携の仕方、合理的配慮の例などのまとめ。サポートブックを渡したり、合理的配慮や特別支援教育をお願いして、学校と上手に連携していくと、集団生活の負担が減り、皆と一緒に参加できる、取り組める可能性があります。

学校に、発達障害があることを伝えるか?

学校側に「発達障害があることを伝えるか?」は、親として悩む場面でもあるでしょう。伝えることで、その子に合った理解や対応が得られる反面、子どもにとって不利益にならないか、も気になることかと思います。

確かに、「発達障害のある子」として扱われることで、過剰支援やレッテル貼りによって、子どもの不利益になる可能性もないとは言い切れません。

ただ、親のほうから伝えなければ適切な理解や対応を得られない場合、子どもの体質的にハードルが高いことや、感覚の過敏性などによる負担感から生じる課題を「努力不足」や「問題行動」と扱われて、周囲からの注意や叱責、失敗体験などが続き、自信を失って二次障害につながることは避けたいところです。

親と学校が上手に連携することで、子どもの負担感や不安感を減らし、集団生活や学習に取組みやすくなります。

私は、「学校側に伝える必要があるか」のひとつの目安として「学校・学級に適応できているか」を見るといいように思っています。毎朝登校しぶりが続く、休みたがる、トラブルが絶えない、授業に参加できない…などの場合や、親が家庭でできることをやってみて、本人も充分がんばっているけれど、それでもできない、取り組めない、と言ったこが続く場合には「本人の努力では乗り越えられない壁」があります。

この場合、環境側からのハードルも下げてあげる必要があります。「障害」とは、本人側にのみあるものではなく、本人の個性と、今いる環境との「間にある段差」によって生まれるものだと思います。(参照:楽々式用語解説のイラスト

また、本人と親のがんばりで、学校にほどほどに適応できている場合でも、学校側に困りや特徴を伝えることで、学校生活の負担や不安感を減らし、本来の力を発揮しやすくなることもあります。


学校に上手に伝えるには・・・?

では、実際に学校にどんな風に伝えるといいのでしょうか。これは、一律に正解がある訳ではなく、その子の個性や気持ち、将来的な展望、先生や周りの子達との関係などから、総合判断する必要があるでしょう。

従って、以下はあくまで目安としてご参考になさって下さい。



【「発達障害」の診断がある場合】


診断がある場合には、そのことを学校側にも伝えた方が明確な対応をとりやすいと思います。ただし、必ずしも「全て」を「全員に」オープンにしなくてもいいのです。

例えば、「発達障害」というレッテル貼りによる不利益が心配な場合には、担任の先生と管理職や特別支援コーディネーターの先生などだけ伝え、「他のお子さんや保護者には伏せて下さい」「本人にはまだ告知していないので、時期が来るまでは話さないで下さい」など、はっきりと伝える範囲を線引きする意思を伝えた方がいいでしょう。(先生が「よかれと思って、クラスの皆の前や本人に独断で話してしまった」などのケースもあるようです)

学校に「発達障害」を伝える際には診断書や、知能検査の結果などを見せ、医師や検査機関の意見として伝えると、説得力があり、明確な対応につながりやすくなります。

その際に「サポートブック」などを作って渡すと、経年でノウハウを引き継いで頂け、新学年の度に一から説明をし直す、といった親の負担を減らし、学校側にチームとして支援をお願いすることで、担任の先生一人に過大な負担を強いるリスクも減らせます。

サポートブックについて:詳しくは「楽々式サポートブック」のページをご参照下さい

【診断がない子・グレーゾーンの子の場合】


診断がない場合や、ほどほどに適応できているグレーゾーンの子の場合、または、診断はあるけれど「発達障害」という言葉を伝えたくない、と親が判断した場合でも、

・困っていること(困り)

・負担や不安に思っていること(気持ち)

・感覚の過敏性など、体質的な特徴

・家での対応

などを「具体的に」伝えることで、本人の負担感・不安感を和らげてあげることができます。「発達障害対応」「特別な支援」などの明確なものでなくとも「先生だけでも、困っていることを分かってくれている」というのは、子どもにとって心強いでしょう。


★伝え方の具体例(うちの場合の例)

・幼稚園の担任の先生に口頭で…


「工作は好きなんですが、のりと絵の具を触るのが苦手で、今日のフィンガーペインティングが心配なようです」

・小学校の担任の先生に連絡帳で…


「いつもありがとうございます。漢字のふりがなや小さなcm、mmなどの単位を書くのが苦手で、答が分かっていても書けずに苦戦しているようです。家では宿題に取り組めない時には、青鉛筆でマス目や単位の下書きをしています。学校でも困っているようでしたら、サポート頂けると助かります」

 …など。(引用:「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」学習サポート編より)


「合理的配慮」をお願いする

2016.4月より「障害者差別解消法」が施行され、障害のある子・方は、「合理的配慮」を、学校や職場に(過度の負担にならない範囲で)義務として求めることができるようになりました。ただ、学校側の対応状況も一律ではなく、合理的配慮を求める際に、根気づよく説明しなくてはならないケースもあると思います。


発達障害のある子が「合理的配慮」を求める場合、例えば…

・LDのある子がタブレットやパソコンなどの持ち込みをして、授業や試験を受ける

(使用例:テキストの音声読み上げ、写真による板書、タイピング出力でのテストやレポートの提出)…など。


LDのある子にとってのIT機器は、視力の弱い人にとってのメガネのようなものです。本人に「努力では乗り越えられない壁」があり、読めない、書けない、といった状態のまま、「皆と同じ」を求めるのは、視力の弱い人に「がんばってよく見れば見える」と励ますのと同じことです。まずは、試験などの際に「同じ土俵に立つ」ことを周囲に理解してもらう必要があるでしょう。道具ひとつで、その子の可能性の扉が開くことだってあります。

ただし、入学試験本番などで、当日急にタブレットやパソコンの使用許可が得られたとしても、本人も周囲も戸惑ってしまいます。日頃から、学習や自己管理の補助に、自分の苦手さを補うツールとして、身体の一部のようになるまで使い慣れておく必要があります。

また、IT機器に限らず、「合理的配慮」は担任の先生の判断で可能な、ほんの少しの工夫も含まれます。


例えば、うちでは…

・掃除の時に水を触るのを嫌がるので、ゴム手袋を使わせてもらった


・長時間動かずにイスに座るのが難しいため、自宅からムービングクッションを持ち込ませてもらった


・小学3・4年生時に、ひらがなや九九が出て来ないので、ひらがな表、九九表のカードを参照しながら授業を受けた

…などをお願いできました。こういった「小さな」合理的配慮でも、本人の集団生活での負担感が和らぐことがあるので、集団行動や一斉授業でも、参加できる・取り組めるようになる可能性があります。


学校と上手に連携し、親と先生がお互いにフォローしあうことで、その子に合った対応が得られると、集団生活の負担を減らして適応しやすくなります。また道具やIT機器などの持ち込みなどを「合理的配慮」としてお願いすることで、発達の凸凹による苦手さを補って、可能性を広げてあげることができます。


参考コラムリスト:「学校と先生の話」まとめ

※このサイトは「楽々かあさん公式HP| Idea&tools for ASD LD ADHD kids」です。

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