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合理的配慮と学校との連携

更新日:4月17日

学校に対して発達障害&グレーゾーンの子への理解と対応の求め方、連携の仕方、合理的配慮の例などのまとめ。サポートブックを渡したり、合理的配慮や特別支援教育をお願いして、学校と上手に連携していくと、集団生活の負担が減り、皆と一緒に参加できる、取り組める可能性があります。


<目次>

 

■学校に、発達障害があることを伝えるか?

学校側に「発達障害があることを伝えるか?」は、親として悩む場面でもあるでしょう。伝えることで、その子に合った理解や対応が得られる反面、子どもにとって不利益にならないか、も気になることかと思います。

確かに、「発達障害のある子」として扱われることで、過剰支援やレッテル貼りによって、子どもの不利益になる可能性もないとは言い切れません。


ただ、伝えなければ適切な理解や対応を得られない場合、子どもの体質的にハードルが高いことや、過剰な負担がかかることを「努力不足」や「問題行動」と扱われて、周囲からの注意や叱責、失敗体験などが続き、自信を失って二次障害につながることは避けたいところです。

親と学校が上手に連携することで、子どもの負担感や不安感を減らし、集団生活や学習に取組みやすくなります。

私は、「学校側に伝える必要があるか」のひとつの目安として「学校・学級に適応できているか」を見るといいように思っています。

毎朝登校しぶりが続く、休みたがる、トラブルが絶えない、授業に参加できない…などで本人や周囲の日常・学校生活に支障が出ている場合や、親が家庭でできることをやってみて、本人も充分がんばっているけれど、それでもできない、取り組めない、と言ったことが続く場合には「本人の努力では乗り越えられない壁」があります。




この場合、環境側からのハードルも下げてあげる必要があります。


つまり、「障害」とは、本人側にのみあるものではなく、本人の個性と、今いる環境との「間にある段差」によって生まれるものだと思います。


また、グレーゾーンの子や、本人と親の工夫やがんばりで、学校にほどほどに適応できている場合でも、学校側に困りや特徴を伝えることで、学校生活の負担や不安感を減らし、本来の力を発揮しやすくなることもあります。


■学校に上手に伝えるには・・・?

では、実際に学校にいつ、どんな風に伝えるといいのでしょうか。


これは、一律に正解がある訳ではなく、その子の個性や気持ち、各家庭の考え方や、進路や将来的な展望、先生や周りの子達との関係などから、総合的に個別に判断する必要があるでしょう。

従って、以下の「うちの例」は、あくまで目安としてご参考になさって下さい。



【発達障害の診断がある場合】


診断がある場合には、そのことを学校側にも伝えた方が明確な対応をとりやすいと思います。ただし、子ども本人を含め、必ずしも「全て」を「全員に」オープンにしなくてもいいのです。


例えば、担任の先生と管理職や特別支援コーディネーターの先生などにだけ伝えたい場合は、「他のお子さんや保護者には伏せて下さい」「本人にはまだ告知していないので、時期が来るまでは話さないで下さい」など、はっきりと伝える範囲を線引きした方がいいでしょう。

(先生が「よかれと思って、クラスの皆の前や本人に独断で話してしまった」などのケースもあるようです。本人への告知はデリケートなことなので、タイミングが大事だと思います)


診断名などの上手な伝え方がわからない場合には、事前にスクールカウンセラーなどに相談し、意見を聞いてみるのもいいと思います。

学校に「発達障害」を伝える際には、診断書や知能検査の結果などを見せ、医師や検査機関の客観的な意見も伝えると説得力があり、明確な対応につながりやすくなります。


その際に「サポートブック」などを作って渡すと、経年でノウハウを引き継いで頂け、新学年の度に一から説明をし直す、といった親の負担を減らし、学校側にチームとして支援をお願いすることで、担任の先生一人に過大な負担を強いるリスクも減らせます。詳しくは「楽々式サポートブック」のページ参照)

【未診断・グレーゾーンの子の場合】


診断がない場合や、ほどほどに適応できているグレーゾーンの子の場合、または、診断はあるけれど「発達障害」という言葉を伝えたくないと親が判断した場合でも…

・困っていること(困り)

・負担や不安に思っていること(気持ち)

・感覚の過敏性など、体質的な特徴

・家での対応

…などを「具体的に」伝えることで、本人の負担感・不安感を和らげてあげることができます。

「発達障害対応」「特別な支援」などの手厚い対応までは必要なくても「先生だけでも、困っていることを分かってくれている」というのは、子どもにとっても心強いでしょう。


★グレーゾーンの子への配慮の伝え方の例(うちの実例)

・園の先生に口頭で…


「工作は好きなんですが、のりと絵の具を触るのが苦手で、今日のフィンガーペインティングが心配なようです」

・小学校の担任の先生に連絡帳で…


「いつもありがとうございます。漢字のふりがなや小さなcm、mmなどの単位を書くのが苦手で、答が分かっていても書けずに苦戦しているようです。家では宿題に取り組めない時には、青鉛筆でマス目や単位の下書きをしています。学校でも困っているようでしたら、サポート頂けると助かります」


■入試等で「合理的配慮」をお願いする

2024.4月より「改正障害者差別解消法」が施行され、障害のある子・方は「合理的配慮」を、公的機関や国公立の学校だけでなく、私立学校や民間企業などに対しても(過度の負担にならない範囲で)法的義務として求めることができるようになります。


ただし、学校側の対応状況も一律ではなく、合理的配慮を求める際に、根気づよく説明・交渉しなくてはならないケースもあると思いますが、高校・大学入試等ではそれまでの支援実績も大事になります。


例えば、LDがあって読み書きが困難な子が入試を受ける際の合理的配慮例には…


  • タブレットやパソコンなどによる回答入力、監督者や介助者による口述筆記

  • 別室受験や試験時間の延長

  • 問題用紙の拡大や、漢字のルビ振り

  • 問題文の機械音声や録音、監督者や介助者などによる読み上げ

…などがあります。


高校・大学入試や入学後に合理的配慮を受けたい場合には、在籍校での授業などの際にタブレットやパソコンを使ったり、定期テストなどで試験時間延長や拡大文字での問題用紙の配布などをお願いして、合理的配慮の実績を作っておく必要があるでしょう。


そして、志望校・在籍校と医療機関等に早めに確認・相談・申請するのが望ましいです。


【受験の際の合理的配慮申請の注意点等】


  • 大学入試:各校で実施・対応状況が異なりますが、事前に「受験時の合理的配慮申請書」「診断書」等の提出が必要な場合が多く、障害学生支援室・学生相談室や入試課などが窓口になります。事前に個別相談などを実施している場合もあります。


合理的配慮を申請する際には、専門の医師の診断書や、在籍校の「個別の教育支援計画」や意見書など、今までの支援実績が必要になる場合が多いようです。

■合理的「小さな」配慮


また、「合理的配慮」には、担任の先生の判断で可能な、ほんの少しの工夫も含まれます。


例えば、うちでは…



…などをお願いできました。


■支援グッズを持ち込む際のコツは…


  • 自分たちで用意し、家で使い慣れておくこと

  • 「こういった特徴があるが、こうすればできる」と説明すること

  • 学校側の都合やクラスの子達の気持ちなどに、こちら側も配慮や理解をする姿勢を示すこと

  • できるだけ柔軟な先生が担任のときに実績を作り、翌年以降も継続してもらうこと

  • うまく伝えられない場合は、スクールカウンセラーや管理職の先生などに仲介してもらうこと

  • 日頃から先生に感謝の気持ちや、子どものプラスの情報や進歩を伝え、丁寧にお願いすること


…などだと、うちの経験上から思います。

こういった「小さな」配慮でも、本人の集団生活での負担感が和らぐので、集団行動や一斉授業でも、参加できる・取り組めるようになる可能性があります。みんなと一緒にやるために、必ずしも、みんなと同じ方法でなくてもいいのですから…。


学校と上手に連携し、親と先生がお互いにフォローしあうことで、その子に合った対応が得られると、集団生活の負担を減らして適応しやすくなります。また、学校生活や受験の際に「合理的配慮」をお願いすることで、発達の凸凹による苦手さを補って、その子の可能性を広げてあげることができます。


 

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