共感力のこと

1.10.2015

一般的に自閉症のお子さんは「共感力の弱さ」を指摘されることが多いように思いますが、私の実感としては逆だと思っています。アスペルガー・タイプ以外の、無口な自閉症さんは「共感力」が高過ぎるんじゃないかという気がします。

 

。。。まあ、あくまでうちの子と、そして私自身を見て感じることですが。

 

次男は真面目なので、普段あんまりトラブルを自分から起こさないけど、他のお子さんが教室で先生に怒られていると、同じように自分も怒られたような気がして、落ち込んでしまったり、失敗できない!とプレッシャーに感じたりしてしまうのです。

耳が良すぎるのと同時に、共感力が高い優しい子だと思うんです。

 

実は、私も小学生の頃は同じようなことがよくありました。学生時代には、深刻な悩みと心身の不調を抱えた友人の相談に親身に載り過ぎて、自分自身も同じような身体症状が出てしまいました。原因不明の胃痛と狭心症のような症状。キツかったですね。

 

「人と視線を合わせられない」(視線回避)、や「耳塞ぎ」も、人に興味がないのではなくて、情報を過剰に受け取り過ぎてしまうのがつらいんだと思うんです。

人のちょっとした視線や表情、言葉はしや抑揚に含まれる微妙な感情を読み取り過ぎて(時に読み違えて)、傷ついてしまったり、雑情報が記憶として残って何度も反芻してしまう、なんてことがしんどいから、あんまり見ない、聞かない、ようにしてるんじゃないかな。

 

有名なムンクの「叫び」は、実はこの人物が叫んでいるのではなく、

自然の中から聞こえてきた叫びから耳を塞いでいるんだそうです。
1893年作(オスロ美術館所蔵)

 

 

つまり、「小さなことにクヨクヨしてしまう」んですね。

 

この状態のままだと、緊張が抜けず疲れ易いので、消極的で受け身な感じがし、意欲に欠けたり現実逃避をしたり、なんてことになるのかな。

 

一説には「共感力」の発達には脳の神経回路の「ミラーニューロン」が関係していると言われています。誰かが美味しそうにご飯を食べていたら、自分もよだれが出る、とか、にっこり笑顔で話しかけられると、自然と笑顔で返したり、イライラしている人を見ると、自分も不快な気持ちになる、なんて時に活発に働く神経回路。

視覚などから入った情報から、同じ感情が喚起されるのがミラーニューロンの働きのようです。「自閉症の犯人かも?」という記述もありますが、まだ、詳しい研究がこれからの分野のようなので、私も興味深く注目しているところです。

 

じゃあ、どうしたら気にならないか?

 

このヒントは、ミラーニューロンの働きが弱そうな、アスペルガー・タイプの人たちに多くを学べると思うんです。

幸い、うちにもちょうどおりますので(^-^) 勉強させてもらいます。

 

うちのアスペルガーさんはとにかくよくしゃべります。

自閉症の人は実は心の中のセルフトークがとても盛んなようです。いつも自問自答しながら、脳を休みなく働かして脳内会話している。「かんもく」(だんまり)の間も、実はいろんな会話が心の中で展開されている。

アスペルガーさんは、それが全部口から出ているだけなのでは?と思っています。つまり、心の中の声が全部正直に出ちゃうから「空気が読めない」「無神経」などと思われがちなんでしょうね。

 

でも、私はアスペルガー・タイプの人が大好きで、とっても安心するんです(時々、果てしないエネルギーに疲れますけどね^-^;)

いつも、感情を過剰に読み取り過ぎてしまう私にとっては、思っていることを素直に口に出してくれる、嘘がつけない、裏表がない、というのは、とっても素晴らしい長所のように思えます。

自分の世界を大事にしていて、内向的で、あんまり簡単に他人に対してオープンマインドになれない私が、友達以上になれた人はみんな、多少アスペルガーの傾向がありますね(^-^;;)(まあ、過剰に依存されたり、徹底的にうまくいかない、ということもありますが、、、その場合は先天的なアスペルガーさんではないことが多いです)

 

アスペルガー・タイプは向こうからガンガン積極的にこちらの領域に入ってきて、相手の都合や気持ちを気にせずアプローチするので「振り回される」印象を与えてしまうこともありますが、自閉傾向のある、共感力の高い人は「相手に合わせる」という能力にも優れているのでうまくいくように思うのです。

 

うちの兄弟を見ていると、次々にいろんなことを思いついて自分のペースで動き続ける兄に、陰のように寄り添って合わせながらも軌道修正していける弟。

見ていて本当に双子のように仲が良くて、いいコンビです(^-^)

アスペルガーさんと高機能自閉症さんは相性がいいのかもしれませんね。

 

そんなアスペルガーさんを見習いつつ、私が「気にしすぎない」ためにしている自分ケアは、、、

・感情を口に出す、表現する(ぶつけるのではなくて「ママは嬉しい」とか「今、悲しいんだ」とか口にしてみたり、表情にしっかりつくって見せるとか。)

・気になる記憶、出来事は、紙などに書き留めて吐き出す(こうすると、返って安心して早く忘れることができます)

・会話のメモを取る(会話のそばからメモを取ることに集中していると、不要な情報を受け取りすぎずに済みます)

・感情リセットのトレーニング(一日10分でいいから、リラックスし、無心になるトレーニングを続けている)

 

。。。というもの。

でも、アスペルガーさんはこれらが自然とできていることもあるので、メンタルの強いスポーツ選手なども多いのかな、とも思います。

 

共感力は、高くても、弱くても、それぞれにいいところ・苦手なところがあって、お互いに補い合えば、結構すごいことができるんじゃないかと思っています(^-^)