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【発達障害と大学受験-2】入試方式の多様化で、少子化でも大学受験そんなにラクじゃないかも

更新日:5 日前

今の時代、少子化で「大学全入時代」などと言われ、私立大学の半数以上が定員割れしている状況なので、大学には希望すれば誰でも入れるような印象を受けがちですが、昨年度、長男の大学受験を見守った私の実感としては「全然そんなことないんだけど?」って感じでした。


その理由について詳しく語る前に、まず、ざっくりと最近の大学入試の仕組みについて。


■最近の大学入試はこうなっている!

2021年から、センター試験が「共通テスト」となって、大学の入試方式も大まかに


  • 一般選抜…筆記試験中心の入試。大学入試共通テストや国公立・私立各大学の個別筆記試験など。1月以降〜

  • 学校推薦型選抜…指定校推薦・公募制推薦。校長の推薦と指定の評定平均の他、大学が定める出願条件等をクリアすることが必要。指定校推薦は校内選抜がある。11月頃〜

  • 総合型選抜…高校での活動実績、意欲、自己PR力などを多面的に評価。旧A.O入試だが、試験内容は様々。10月頃〜(ただし、夏〜9月頃に1次選考があることも)


…の3タイプに加えて、系列・附属の大学への内部進学がある高校も。


そして、メディア等でもよく聞かれるように、昨今の大学入試では、定員の半数以上を推薦・総合型で取る私立大学も多く、国公立でもその割合を増やしていく傾向にあるようです。

そうすると、子どもが多くて受験の競争率が激しい時代を生きたおじさん・おばさん世代からは「今の高校生は大学入試ラクでいいなあ」なんて声が聞こえてきそうですが……(私も内心そう思っていました)。


ところが、うちの子達が通う私立A高校で見る限り、附属・系列大学へのエスカレーター式の内部進学は、かなりラクそうな印象ではありましたが、その他の推薦入試、総合型選抜、一般入試は、世間で言われるほどラクそうではありませんでした(学校によっては、内部進学でも厳しい審査がある場合も)


一見ラクそうなイメージの指定校推薦も、確かに校内にライバルがいなければ、有名大学でもほぼ合格が決まったようなものですが、高1から高3一学期までの、全科目の評定平均や欠席・遅刻の日数の他、特定科目の成績や検定試験のスコアなど、その大学が定める出願条件をクリアしている必要があります(そして、その大学から指定校枠が何人来るかは、高3の夏頃まで分かりません)。

高1から意識して3年間真面目に努力し続けてないと、評定平均4.0以上とか、欠席日数15日以内とかの条件の大学は、相当難しいと思います。


まあ、いわゆる"Fラン大学"は、実際かなり入りやすいようですが、さすがに「名前書けば入れる」ってのは誇張のように思いますし、定員割れてても基準に満たない生徒は取らない方針のことも。

(某YouTuberの影響からか、受験生の間ではネタにされがちなFラン大学にもメリットはあるので、機会があれば、いずれまた)


■入試方式、多様化しすぎてワケワカメ!


で、「最近の大学受験、そんなにラクじゃないかも」と私が思う理由は2つ。


理由1:定員の枠が狭くて、高倍率になりがち


まず、入試方式の多様化によって、それぞれの入試方式ごとの募集定員が少なくなっていて、枠が狭く倍率が高くなる傾向があり、内容的には一見簡単そうに思える入試方式や、合格率が高そうな専願入試でも、同じことを考えている受験生が多くて「狭き門」になっているから(…という私の分析)。


具体的な例で言うと、推薦・総合型で定員の半数以上を取る、ある私立大学の〇〇学部〇〇学科で100名の定員があったとして…


  • 推薦→指定校/10名、公募制/20名(うち専願/10名、併願/10名)

  • 総合型→専願A/10名、併願B/5名、併願C/5名

  • 一般前期→3教科/20名、2教科/10名、共通テスト利用/5名

  • 一般後期→3教科・2教科・共通テスト利用/各5名


…とかになってるワケです(もちろん、内容や定員の比率は各大学によって違いますが…)


実際、うちの長男は「第一志望の私立大学は、総合型の専願・事前ワークショップ参加型の入試なら、なんとかなりそう」と、ある程度の対策をした上で、当日いざ現地に行ってみたら……


想定以上に受験生が多く、"ワークショップ"という気軽な感じの言葉の印象とは違い、ピリッとした雰囲気で行われる事実上の一次選考試験で、緊張して頭が真っ白になり、結果、「出願不可」判定で足切りされてしまいました……(このことがショック過ぎて、その後メンタルがえらいことに……)。


また、学科試験中心の一般選抜も、合わせても定員の半数以下しか枠がないと、門が狭くて、難関大学じゃない大学でも、思った以上に高倍率になっていることも。

(ただし、共通テスト利用型の入試は、枠が狭くても出願者も少なめで、合格者を多めに出す傾向があるようなので、有名大学でも案外いける子もいるかもしれません。もちろん、共通テストを受ける必要があるのですが……)


その一方で、国公立でも学部・学科によっては、一般選抜が1倍前後の低倍率だったり、定員割れしている大学もあり、受験生の人気による偏りの影響が大きいようです。


ただ「倍率」は、一見高そうでも、併願する子などが多くて多めに合格者を出していて、実質倍率は低い学部・学科もあるようなので、志願者数/定員数の志願倍率ではなく、実際の受験者数/合格者数で出した「実質倍率」や「合格最低点」などのほうが勝算の目安になるようです。


んまあ、私立でも国公立でも、空いてるところは空いてるみたいなんですけどね……。


受験生だって「どこでもいい」ってワケじゃないと思いますが、人気のところに集中しがちのようなので、「どうしてもココじゃないとイヤだ」って大学がある場合は、浪人も覚悟する必要があるのかも。


理由2:試験内容と出願条件が多様化し過ぎて対策しづらい


そして、特に推薦・総合型選抜に言えることですが、大学・学部ごとに入試内容も出願条件も異なるので、「A大学の総合型がダメなら、B大学の推薦に」みたいに、要領よくパパッと切り替えるのは、誰にでもできる話ではないかもしれません。


なぜかというと、親世代の受験時代とは違って、推薦入試=小論文・面接、総合型(AO入試)=自己PR・一芸入試とは限らず、実にいろんな方法で昨今の大学入試が行われているからなんです。


例えば、同じ〇〇系学部でも、A大学の総合型では夏の体験授業に参加してレポート提出が一次選考→自己PR型のプレゼンテーション、B大学の公募推薦は当日課題の小論文とグループディスカッション、C大学の公募推薦は学力試験3科目(英語は検定試験利用)と個別面接…とか。


要するに「受験対策の使い回しがしにくい」ので、本命校の推薦や総合型だけに絞った対策をしていると、不合格だったときのダメージが大きすぎるように思います(うちの経験上。そして、高3の秋冬から一般入試に切り替えて、現役合格目指すのは非常に大変です……)


そして、推薦・総合型の出願条件も、評定平均の他、欠席日数や特定科目の成績、体験授業参加や事前課題の提出、検定試験のスコア、記載できる部活や課外活動の実績のレベルその他…と、各大学・各学部・各学科の各入試方式で様々。


そのため、高3の夏休み頃から、志望校の推薦・総合型を検討しても「条件に当てはまらなくて出願できない、間に合わない」ってことも。


もう、複雑すぎて、おばちゃんワケワカメ!


なんだか"椅子取りゲーム"のように、「空いてる席を見つけたら、パッと決めて、パッと座る」みたいな

決断力・妥協力が必要なのかも……。


なので、特に「柔軟に、臨機応変に、要領よく」が苦手な子は、入試方式の多様化に対応するのは、ハードル高い気がします…(そういう子は、とっとと一般入試をメインに想定して、学科の受験勉強を地道にコツコツ進めていくのがいいと思います。学科試験中心の推薦入試等もありますし)


■自分に合った入試方式で受験できるメリットも


とはいえ、入試方式の多様化はデメリットばかりでなく「自分に合った方式で受験できる」というメリットも大きいです。


同じ大学でも複数の入試方式があるので、募集要項・入試案内をよーく読めば、中には「これなら自分にピッタリ!」「今までの努力や得意分野が活かせる」ってものがあるかもしれません。

また、本命校を、総合型→推薦(専願/併願)→一般前期/後期…みたいに、何度も受験するチャンスだってあります(うちの長男は、最初の結果で心折れてしまいましたが……)


そして、指定校推薦の出願条件・校内選抜や、自己推薦・総合型選抜の大学が求める人物像に自分がピタリと合えば、案外スルッと有名大学に受かってしまうことも。


実際、長男の同級生達(主にリア充・陽キャ・コミュ力高め勢)は、推薦・総合型で年内に”結構いいところ”への進学を要領よくサラリと決めて、2月3月まで結果が出ない一般入試組をよそに、系列大学への内部進学組と一緒に、残りの高校生活をエンジョイしながら、アパート選びや自動車教習所通いや卒業旅行などもしつつ、ゆとりを持って楽しそうに過ごしていました。


なので、推薦・総合型入試は「難しそうな有名大学でも、意外とすんなり受かる子は受かる」っていう私の印象ですが(進路指導の先生も、同じようなことをポツリと言ってました)、その一方で、「一見大丈夫そうな大学の専願入試でも、落ちる子は落ちる」っていう感じで、長男のように年内に決まらず、国公立含め一般入試を受ける仲間達もそれなりにいました(←一般選抜組は、ほとんどの子達の進学先が決まる中で、自分だけ取り残されてくプレッシャーがすごいらしいです…😢)。


■大学受験、入試方式の多様化を乗り切るポイント


つまり、大学の人気度や多様な入試方式と、受験生との相性が合う・合わないによる明暗の差がすごく大きく分かれるのだと思います。


これを臨機応変に乗りきるためのポイントは(おそらく、高校の先生も同じようなこと言ってると思いますが)……


  • 高校生活を充実させ、好きなことに打ち込むべし!

  • 早めに情報収集し、自分の個性と相談しながら、自分に合った入試方式を見つけておく

  • 推薦・総合型の子は、高1から評定平均や欠席 日数を意識して、志望校の出願条件をクリアするのに必要な準備も(検定試験とか、部活やボランティアの活動実績とか、体験授業とか)

  • ただし、推薦・総合型でも、"万が一"のために、受験勉強は得意科目+英語だけでもやっとく

  • 臨機応変が苦手な子は一般入試に絞って勉強をがんばり、共通テストも受けとくと安心

…ってのが、高3の真冬から春先まで我が子の苦労する姿を心を痛めながら見守った、おばちゃんからのお節介アドバイスです。


■入試の多様化は、悪いことではないと思うけど……


私は入試方式が多様化すること自体は、広い視点で見れば悪いことじゃないと思っています。

学びへの意欲にあふれていても、ペーパーテストで実力を出しにくい子や、地道に頑張ってるのに緊張しやすく本番に弱い子、全教科まんべんなくできなくても特定分野はがんばれる子などが、一つの指標だけでなく、いろんな方式・あらゆる角度で評価されるチャンスが与えられますからね。


それに、各大学・各学部ごとに入試内容が異なることで、なんでもマニュアル・攻略法化してしまう受験塾等が対策しにくく、過剰な受験競争を煽って受験生に過度な負担とプレッシャーをかけながら、親の経済力次第の課金ゲームが加熱するのを、ある程度抑止する効果もあると思います(まあ、子どもの活動実績などを作るために、別の課金が必要になっている面もありますが…)。


大学入試で、学力だけでは図れない総合的な人物評価をしていくことで、「学歴偏重主義」や「偏差値」などが大した意味を為さなくなり、日本の労働環境改善やイノベーションにつながる期待もあります。


ただ……。


多面的に総合的に評価されるということは、高1高2から多面的に総合的に頑張る必要もあって、いくら少子化時代でも、「本当に行きたい大学に行くのは、そんなにラクでもないかも」ってこと、大人達は理解した上で、受験生を応援してあげてほしいと思います。


(記事監修/長男)

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