学校との連携

 

学校に対して発達障害のある子への理解と対応の求め方、連携の仕方、合理的配慮の例などのまとめ。

サポートブックを渡したり、合理的配慮や特別支援教育をお願いして、学校と上手に連携していくと、集団生活の負担が減り、皆と一緒に参加できる、取り組める可能性があります。

検査結果を活かす

各種知能検査や機能検査を受けた場合、学校に対して客観的で説得力のある説明ができる

 
 

学校に、発達障害があることを伝えるか?

 

学校側に「発達障害があることを伝えるか、どうか」は、親として悩む場面でもあります。伝えることで、その子に合った理解や対応が得られる反面、子どもにとって不利益にならないか、も気になることかと思います。

 

確かに、「発達障害のある子」として扱われることで、過剰支援やレッテル貼りによって、子どもの不利益になる可能性もあります。

ただ、言わなければ理解や対応を得られない場合や、学校の方でも発達障害の可能性を考えているものの、親から話があるまで動けない、といった状況のまま、子どもの体質的な困りや感覚の過敏性などによる負担感から生じることを、「努力不足」や「問題行動」として、周囲からの注意や叱責が続き、自信を失って、二次障害になってしまうことは、避けたいところです。

 

学校と上手に連携することで、子どもの負担感や不安感を減らし、集団生活や学習に取組みやすくなります。

 

学校側に伝えるか、のひとつの目安として「学校・学級に適応できているか」を見るとよいと思います。毎朝登校しぶりが続く、休みたがる、トラブルが絶えない、授業に参加できない、などの場合や、親が家庭でできることをやってみて、本人も充分がんばっているけれど、それでもできない、取り組めない、と言った場合には「本人の努力では乗り越えられない壁」があります。

 

この場合には、環境側からのハードルも下げてあげる必要があります。「障害」とは、本人にのみあるものではなく、本人の発達の凸凹の差と、環境側に要求されること、との「間にある段差」によって生まれるものです。(参照:楽々式用語解説のイラスト

 

また、本人と親のがんばりで、学校にほどほどに適応できている、という場合でも、学校側に困りや特徴を伝えることで、学校生活の負担や不安感を減らし、本来の力を発揮しやすくなることもあります。

 

 

うちでは、発達障害のある長男のことを、小学校・担任の先生に詳しく知って頂き、取り扱いのコツを伝えるために、「サポートブック」を作り、毎年渡して連携してきました。サポートブックとは、一体どんなものなのか、何を書いたらいいのか、どんな風に渡したらいいのか…そして、実際のところどうだったのか、もし、うまくいかない時にはどうしたらいいのか…

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明確な診断のないグレーゾーンの子も、「特別な支援、特別な配慮」までは必要なくても、ほんの少しの周囲の理解と「さり気ない」合理的配慮で、学校・園が随分楽になる、というお子さんは多いのではないかと思います。楽々かあさんが今までやってきた、園・学校に「さり気ない」配慮をお願いするコツをお伝えします…

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「発達障害」や「感覚の過敏性」を上手に伝えるには・・・?

 

では、実際に学校にどんな風に伝えると良いのでしょうか。これは、一律に正解がある訳ではなく、その子にとって最適な答を親が一緒に探って行く、ということになります。
従って、以下はあくまで目安としてご参考になさって下さい。

 

【「発達障害」の診断がある場合・・・】

診断がある場合には、そのことを学校側にも伝えた方が明確な対応をとりやすいと思います。ただし、必ずしも「全て」を「全員に」オープンにしなくても良いのです。例えば、「発達障害」というレッテル貼りによる不利益があることが心配な場合には、担任の先生と管理職や特別支援コーディネーターの先生など、関係者にだけ伝え、「他のお子さんや保護者には伏せて下さい」「本人にはまだ告知していないので、時期が来るまでは話さないで下さい」など、はっきりと伝える範囲を線引きする意思を伝えた方が良いでしょう。(先生がよかれと思って、皆の前や本人に独断で話してしまった、などのケースもあるようです)

 

学校に「発達障害」を伝える際には診断書や、知能検査などの結果などを見せ、医師や検査機関の意見として伝えると、説得力があり、明確な対応につながりやすくなります。

その際に「サポートブック」などを作って渡すと、経年でノウハウを引き継いで頂け、新学年の度に一から説明をし直す、といった親の負担を減らし、学校側にチームとして支援をお願いすることで、担任の先生一人に過大な負担を強いるリスクも減らせます。

詳しいサポートブックの書き方・渡し方・サポートブックのダウンロードは「楽々式サポートブック」をご参照下さい

 

【診断がない・グレーゾーンの子の場合・・・】

診断がない場合や、ほどほどに適応できているグレーゾーンの子の場合、または、診断はあるけれど「発達障害」という言葉を伝えたくない、と親が判断した場合でも、

 

・困っていること(困り)

・負担・不安に思っていること(気持ち)

・感覚の過敏性など、体質的な特徴

・家での対応

 

などを「具体的に」伝えることで、本人の負担感・不安感を和らげてあげることができます。「発達障害対応」という明確なものでなくとも「先生だけでも、困っていることを分かってくれている」というのは、子どもにとって心強いと思います。

 

★伝え方の具体例

 

・幼稚園の担任の先生に口頭で・・・

「工作は好きなんですが、のりと絵の具を触るのが苦手で、今日のフィンガーペインティングが心配なようです」

 

・小学校の担任の先生に連絡帳で・・・

「いつもありがとうございます。漢字のふりがなや小さなcm、mmなどの単位を書くのが苦手で、答が分かっていても書けずに苦戦しているようです。家では宿題に取り組めない時には、青鉛筆でマス目や単位の下書きをしています。学校でも困っているようでしたら、サポート頂けると助かります」

 

・・・など。(例はうちで実際に使った伝え方です)

(引用:「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」学習サポート編より)


 

 

「合理的配慮」をお願いする

 

2016.4月より「障害者差別解消法」が施行され、障害のある子・方は、「合理的配慮」を、学校や職場に(過度の負担にならない範囲で)義務として求めることができるようになりました。

ただ、学校側の対応状況も一律ではなく、合理的配慮を求める場合に、根気づよく説明しなくてはならないケースもあると思います。

 

発達障害のある子に対する「合理的配慮」を求める場合、例えば・・・

 

・LDのある子がタブレットやパソコンなどの持ち込みをして、授業や試験を受ける(使用例:テキストの音声読み上げ、写真による板書、タイピング出力でのテストやレポートの提出、など)

 

といったことが考えられます。

LDのある子にとってのIT機器は、視力の弱い人にとってのメガネのようなものです。本人に「努力では乗り越えられない壁」があり、読めない、書けない、といった状態のまま、「皆と同じ」を求めるのは、視力の弱い人に「がんばってよく見れば見える」と励ますのと同じことです。まずは、同じ土俵に立つ、ということを周囲に理解してもらう必要があります。

 

道具ひとつでその子の可能性の扉が開くことがあります。


(参考Facebook記事:うちでのiPad持ち込みのための、学校との交渉の仕方iPadの準備設定と他のお子さんへの説明


ただし、入学試験本番などで急にタブレットやパソコンを使えるようになったとしても、本人も周囲も戸惑ってしまいます。日頃から、学習や自己管理の補助に、自分の苦手さを補うツールとして、身体の一部のよう